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■ 誰かマックス・モズレーを暗殺してくれ
2006年02月07日(火)
【2006 Voice Rally Result】(Update:February13) Mako Hakkinenn(M-NEST.net/JPN)……… -6days
F1を牛耳るFIA(国際自動車連盟)の会長で、F1界の暴君として知られるマックス・モズレーがとんでもないことを言い出して、関係者に衝撃を与えています。
現在、F1に参戦する全てのチームはコンコルド協定と呼ばれる協定に従い、レギュレーションや放送料の分配などの取り決めをおこなったりしていますが、現在のコンコルド協定は2007年で効力が切れてしまい、2008年からの新しいコンコルド協定を巡り、FIAと、ルノー、マクラーレン(メルセデス)、トヨタ、ホンダ、そしてBMWのメーカー系チームで構成されるGPMA(グランプリ・マニュファクチャラーズ・アソシエーション)とで対立しており、GPMAはFIAが総括するF1とは別に、独自に新F1シリーズ立ち上げを画策していました。 要は、FIAの運営に反発するメーカー系チームが、FIAと別離し、自分たちだけでより公正でよりコンペティティブなF1シリーズをやろうじゃないかというもので、現在のFIAが統括するF1が分裂してしまう可能性がありました。 しかし、フェラーリがいち早くFIAの2008年からのコンコルド協定にサインし、昨シーズン限りでBMWと決別したウィリアムズをはじめ、レッドブル、ミッドランド、そしてトロ・ロッソもこれに加わり、事実上GPMAによる2008年からの新F1シリーズ立ち上げは不可能となってしまいました。
そうなると、当然GPMAのメーカー系チームはコンコルド協定にサインしなければ、2008年からF1に参戦できなくなることになるので、GPMAがサインするのは時間の問題だと言われていました。 FOM(フォーミュラ・ワン・マネージメント)のバーニー・エクレストンが、これまでよりさらに好条件の収入をメーカー側に呈示し、これがうまくまとまれば、3月の今季開幕戦バーレーングランプリ以前にもすべての合意が得られるかも知れないというところまで来ていました。
ところが!そんな中マックス・モズレーが、2008年シーズンからの新しいF1において、メーカー系チームには報酬が与えられないとの衝撃発言を行ったのです!FIAのスポークスマンは、すでにモズレーがこの考えをF1における商業権利を実質的に保有するバーニー・エクレストンに示したことを明らかにしています。 モズレーがメーカー系チームと指摘するのは、おそらくGPMAを構成するルノー、マクラーレン、トヨタ、ホンダ、BMWの5チームを指すとみられていますが、これが実際に行使されたら、FIAとGPMAとの対立は決定的なものとなります。
GPMAのスポークスマンは「衝撃を受けた」と英『ロイター』の取材に答え、「FIAは、EU(欧州連合)により商業事務に関係してはならないと規定されている筈だ。したがって今回のモズレー会長の発言には大変驚いている。われわれは現在(商用権利を持つ)バーニー・エクレストン氏と話し合いを継続中で、モズレー会長の発言とは関係なくこれをさらに進めていくことになる」と反発しています。 しかし、そうした動きについてモズレー会長は「メーカーはレースが仕事じゃない」とあらためて切って捨て、「F1を世界選手権として支えているのはプライベート・チームのほうなんだ。彼らはこのレースそのものが仕事。したがって、レースをすることによって収入が得られなければならないことは明らかだ。しかし自動車メーカーはそうじゃないだろう。彼らはクルマを作って売るのが仕事。そしてそのためのプロモーションとしてレースに参加しているんだ。そうした活動に報酬を受け取る必要はないと私は考えるがね」とふてぶてしいコメントを残しました。
2008年シーズンからのコンコルド協定を巡り、最近の流れはFIAに有利とみられ、GPMAもコンコルド協定にサインすると言われ、対立は終焉を迎えようとしていた矢先だったのに、このモズレーの発言が再び大きな混乱を生みそうです。
おそらくGPMAによる新F1シリーズ立ち上げが消滅したことを受けて、モズレーが足元を見たということですな。まったくもって悪どいやり方です。マックス・モズレーは昨年FIA会長の任期が満了しましたが、後継者がいなかったため、無選挙で再選し、今後も引き続きF1を牛耳ることになりました。これでは、もはやマックス・モズレーが死なない限り、今のF1が変わることはないでしょう。
ところで、フェラーリもメーカー系チームですが、当然フェラーリはFIAからちゃんと報酬を受けることができます。FIAはGPMAによるコンコルド協定からの離脱と新F1シリーズ立ち上げを阻止するため、フェラーリに好条件を持ちかけてFIA側に抱え込んだからです。 従ってGPMAの全チームがコンコルド協定にサインしたとしても、フェラーリだけがメーカー系チームで唯一FIAからの恩恵を受けることになるわけです。つまり、FIAとフェラーリとの癒着は今後も続いていくと言うことですな。
個人的には、GPMAによる新F1シリーズが実現し、FIAによるF1シリーズが消滅してくれることを望んでいましたが、今回のモズレーの発言を受けて、GPMAが再び発憤してくれると良いのですが……。
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