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■ ミハエル・シューマッハの去就を考える
2006年01月11日(水)
先日「今シーズンタイトルが獲れなかったら引退するかも」と初めて引退という言葉を口にした皇帝ミハエル・シューマッハ(フェラーリ)ですが、一方で「フェラーリから別のチームに移籍する可能性は99%ない」とし、今更フェラーリ以外で走るつもりはないと語っていました。
多くのニュースサイトでは、残り1%は移籍の可能性があると見ていますが、1%ですからねえ……。普通99%可能性はないと言えば、「滅多なことがないかぎりあり得ない」ということですから、現時点では移籍はないと考えていいでしょう。これで後々「やっぱり移籍する」なんてことになったら、全然1%どころじゃないじゃんという話ですからね。というわけですから、シューマッハには移籍する意志はまったくないと解釈していいでしょう。
ということは、今現在シューマッハの頭にあるのは、「2006年をもってF1を引退する」か「2007年以降もフェラーリで現役を続行する」のどちらかということですね。その結論は、当初は3月(つまりシーズン開幕)までには出すと語っていましたが、一転して今年の夏までに延期しましたね。それだけシューマッハ自身も揺れていると言うことでしょう。
さて、ミハエル・シューマッハは2006年で引退するべきか、2007年以降も続投するべきか、それはシューマッハ本人が決めればいいことですが、僕個人的な意見を言えば、シューマッハはそろそろ引退するのが賢明な判断なのではないかと思います。もちろんファンはいつまで経っても引退して欲しくはないでしょうし、F1史上最高のドライバーであるシューマッハの引退は、F1に多大なる影響を及ぼすことは間違いないでしょう。しかし、F1界はようやく昨年アロンソがシューマッハの独走を止め、キミ・ライコネンやジェンソン・バトンといった若い才能も育ち、今後はこれまでのシューマッハ&フェラーリの一人勝ちではなく、数名による熾烈なタイトル争いが期待されています。
昨年までの僕は、「シューマッハが引退する前に、誰かがシューマッハに打ち勝って引導を渡して欲しい」「シューマッハの勝ち逃げ(負けないまま引退)はその後のF1にとって良くない」と言い続けていました。しかし昨年はアロンソやライコネンがシューマッハを凌駕し、1999年のミカ・ハッキネン以来ようやく“シューマッハ越え”を実現し、「世代交代」を実らせました。だからシューマッハは、そろそろ身を引いた方が潔いのではないかと言えるわけです。
現にシューマッハは、すでに7回もチャンピオンになり、通算優勝数、通算獲得ポイント、通算ファステストラップ獲得数などと言った歴代記録を次々に塗り替え、残すはアイルトン・セナの持つ通算ポールポジション獲得数だけとなりました。そのセナの記録にもあと1回で並び、シューマッハが今シーズン、その最後の砦である歴代記録を塗り替えるのはほぼ確実です。そうなれば、もうシューマッハにF1でやり残したことなど何もなくなってしまうわけです。
だから、このまま現役を続けて昨年のような無様な姿をさらすよりは、今シーズン限りで潔く引退してしまった方が、シューマッハの伝説に余計な傷を付けることもないと思うんですよね。個人的にはシューマッハには引退前に別のチームに移籍して、フェラーリ以外のマシンで走ってもらいたかったですが、どうやら本人にその意思がないようなので、それなら引退した方がいいんじゃないかと、僕は思います。
ミハエル・シューマッハが現時点でも現役ナンバーワンのドライバーであることは言うまでもありません。だからこそ、その最高のドライバーに再び“ベストではない”マシンに乗ってタイトルにチャレンジしてもらったら、F1は非常に面白くなりと思うんですけどねえ。それで、例えば交渉が噂されているレッドブルやトヨタでチャンピオンになったとしたら、もう誰もシューマッハの実力を疑う者などいないでしょうね。
……まあ、いくら実力がナンバーワンとはいえ、昨年フェラーリでタイトルを獲れなかったのですから、別のチームでタイトルが獲れるとは思えませんけどね。
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