|
|
■■■
■■
■ 馬鹿丸出しの改造車
2005年12月17日(土)
今日、家の近くの広い道路で、もの凄く面白いクルマを目撃してしまいましたぞ!そのクルマは派手に改造された白いトヨタ・アリストで、改造と言っても走りやクルマの性能をアップするためのチューンナップではなく、どちらかと言うと他車を威嚇するためのヤンキー仕様のアリストで、シャコタンに出っ張ったストレーキ、サイド及びリアウィンドウは全面スモーク、ダッシュボードには純白のムートン、そして極めつけは観音様の背中に付いているような放射状に突き出た4本のマフラーと、今どき珍しいほど本格的に改造された、まさに“昭和の遺物”といった感じのヤンキー車でした。 当然排気音もうるさければ車内から漏れるウーハーの効いたディスコミュージック(バスドラムの音しか聞こえない)もやかましく、我が物顔で通りを走ってきて、信号待ちをしている僕の目の前の交差点で停車しました。
で、このクルマ、よく見ると様々なステッカーやカッティングシートがベタベタと貼られていて、ステッカーと言っても「TEIN」や「HKS」、「RAYS」や「APEX」などといったいわゆるチューンナップメーカーのロゴを貼ったりする“ステッカーチューン”ではなく、黒地に金縁の枠にラメ入りで「極悪連合」「関東爆走組」「畜怨鬼」などといった筆文字の漢字が書かれたダサダサのステッカーでした。
そして何と!その中でもひときわ目立っていたステッカーが、おそらくオリジナルで作ったと思われる、白いボディに直接黒の筆文字で貼り付けられた漢字7文字!
「夜露死苦機械犬」
知っている人は知っていると思うのですが、昔、僕が小学校低学年の頃に、週刊少年ジャンプで次原隆二の「よろしくメカドック」という漫画が連載していて、アニメ化もされてかなり流行ったのですが、たぶん今ごろながら、この「よろしくメカドック」をヤンキーよろしく漢字に変換してステッカーを作ったのでしょう。
がしかしッ!
彼らは気付いていないのだろうか……!「よろしくメカドック」の「ドック」は“doc”、つまり博士のことで、“dog”つまり犬ではないということにッ!しかしこのクルマの持ち主は頭が悪いのか英語が苦手なのか、「メカドック」を“機械の博士”ではなく「メカドッグ」つまり“機械の犬”と勘違いして、その間違えに気付いているのかいないのか、堂々と、しかもでかでかとボンネットの上に「夜露死苦機械犬」という文字を貼り付け、バカ丸出しで街を悠々と走っているのです!
……しかしまあ、正しく訳して「夜露死苦機械博士」としたところで、「博士」じゃちょっとヤンキーとしては迫力に欠けるような気もしますな。「夜露死苦」がコテコテとはいえヤンキーっぽいのに、その後が「機械博士」だと、妙にアカデミックになってしまい、何だか一応ヤンキーなんだけど、ケンカよりはむしろ、ちまたで“ハカセ”と呼ばれるほど機械に強いみたいで、ヤンキーの落ちこぼれみたいになってしまいますよね。「機械博士」ならまだいいですが、この“doc”を別の意味の「お医者さん」と訳してしまった日にゃ、「夜露死苦機械医者」ですからねえ。ヤンキーなのに職業が変わってしまいますな……。
そう考えると、「機械犬」と誤訳したのは、ある意味“狂犬”的な凶暴なイメージがあって、「おつむは弱いがケンカは強いぜ!」とアピールできて、理に叶っているのかもしれませんな。
「夜露死苦機械犬」
この言葉、流行らせたいものです。
……いや、僕はクルマに貼りたくないですけどね。
|
|
|