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■ F1、11番目のチームは一体……
2005年10月24日(月)
F1で来シーズン、ホンダがエンジンを供給し、佐藤琢磨が起用されると言われている、いわゆる「11番目のチーム」ですが、今月初めにホンダがBARチームの株式完全取得を表明した際に初めて明らかとなったこの新チームは、今日現在でまだまったくその正体は明らかにされておらず、不気味な沈黙が続いています。ただ、ホンダという大メーカーが公式の会見で不用意な発表をするとは考えにくく、すでにかなり具体性があるものとみられています。そんな中、様々な噂だけが一人歩きしている状況です。
まず、これまで佐藤の移籍先として挙げられていたレッドブル・ジュニア・チーム(現ミナルディ)やミッドランド(現ジョーダン)は現行の10チームということになるので該当しません。 同じくすでにマクラーレン・ジュニア・チームとして噂になった日本人女性がオーナーの「ディレクシブ」も、この関係が事実であれば「どこのメーカーとも関係しない」というホンダの説明からすると候補から外れることになります。
そこで最初に挙がった説が、日本国内で期待の高い「童夢参戦説」。F1には不可欠な日本有数の風洞を保有し、シャシー製造の最高技術も持つ童夢はホンダとの関係が深いですが、童夢側の言動からはそうした動きはみじんも見受けられないため、この説は早々に消えていきました。
次に挙がったのが「ダラーラ説」。ホンダが第3期F1活動を開始する際に、当初マシン製作を受注したのがダラーラで、かねてホンダとの関係は深く、またジョーダンを買収したミッドランドもこのダラーラにマシン製作を依頼していたという実績もあります。IRLやF3、スポーツカーなどF1以外での実績は世界ナンバーワンといっても差し支えないほどです。まさにホンダが会見で明らかにした「F1参戦はないが、十分なレース経験がある」という条件にも合致するのですが……。
続いて挙がったのが「カーリン説」。トレバー・カーリン氏率いる「カーリン・モータースポーツ」は、言わずと知れた、佐藤琢磨がイギリスF3チャンピオンを獲得した時の所属チームで、エンジンもホンダ・エンジンを使用していました。 今季、カーリン氏はミッドランド(ジョーダン)の立ち上げ時にはチームオーナーに請われてスポーティング・ディレクターに就任しましたが、その後F1チームの運営から手を引いています。また、アンソニー・デビッドソンも当時佐藤のチームメイトで、これまたホンダがバックアップする理由の一つに上げられているようです。
その後噂は「ドバイ関与説」から「鈴木亜久里関与説」まで持ち上がり、一番最新の噂では、ジョン・メナードなる人物の名前が挙がってきました。イギリス・オックスフォードにある旧アロウズ・チームの工場を持つメナード社がその背後にあるというものです。 元々はシャドーF1のメンバーが設立したアロウズはジャッキー・オリバー氏が率いたのですが、その後トム・ウォーキンショー氏の手に渡りました。その後アロウズは2002年のドイツグランプリを最後に消滅しましたが、倒産したTWRが保有するリーフィールドの工場は債権者だったジョン・メナードが購入して現在に至るそうです。またメナード自身もアメリカでチーム・メナードとしてIRLなどで活躍し、のちにパンサー・レーシングに吸収されましたが、現在もスポンサーとして継続しています。 そしてIRLといえば鈴木亜久里、さらには現BARチームのスポーティング・ディレクターのジル・ド・フェランと、結局また1本の線で繋がってきます。
さて、2005年現在でF1は10チーム20台のマシンで争ってきましたが、F1には現在12チームまでのエントリー枠があり、2つも空席があると言うことになります。で、ホンダ系列とみられる「11番目のチーム」の他に、実はもう1つチーム、メルセデス系列とみられる「12番目のチーム」の存在も浮上しています。 この新たな2チームが噂通り参戦するのであれば、いずれもシャシーはBAR、あるいはマクラーレンのものの流用ということになるようです。しかし、現在のF1レギュレーションでは、F1参加チームはシャシーを自製するコンストラクターであることが求められています。 これに対して、参加チームを増やしたいバーニー・エクレストン氏は、これをクリアにするために「知的所有権」の購入、つまり、マシンの設計図を購入し、その設計図を基に新規参入チームがシャシーを製造するという裏技を後押ししているそうです。ただし、レギュレーション変更に慎重なFIAのモズレー会長や他のチームをこの方法ですべて説得できるかどうかはまだ不明確です。
そしてその結論が今日24日に開かれたFIAの世界モータースポーツ評議会(F1委員会)で出されるとみられていたのですが、結局評議会では新規参入チームに関しては一切発表はありませんでした。一応噂ではFIA(モズレー会長)もエクレストン氏も基本的に同意の方向とみられているそうですが、今回FIAから何も発表がなかったとこで、全チームの賛同がまだ得られていないことが考えられます。
いずれにしても、ホンダ系列とみられる「11番目のチーム」とメルセデス系列とみられる「12番目のチーム」が2006年に参戦するには、もうこの方法しか時間的に不可能であることは間違いありません。
11月15日の2006年エントリー締め切り日に、すべてが明らかになるでしょう。
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