Mako Hakkinenn's Voice
by Mako Hakkinenn



 ミハエル・シューマッハ、八つ当たりか?
2005年08月21日(日)

 F1第14戦トルコグランプリの決勝がイスタンブールで行われました。初開催となったグランプリですが、キミ・ライコネン(マクラーレン・メルセデス)が独走し今シーズン5勝目をマークしました。しかし、レース終盤に2位を走行していたチームメイトのファン・パブロ・モントーヤがチェッカーまで2周となった56周目のターン8で痛恨のコースオフを喫し。ランキング首位のアロンソが労せずに2位に浮上し、まんまとアロンソに8ポイントを献上してしまう結果となってしまいました。
 シーズンは残りあと4戦、本来なら残りの全レースでライコネンが勝ち、モントーヤが2位に入っても、アロンソが3位に入り続ける限りライコネンの逆転は不可能という状態なのに、今回アロンソが2位に入ったことで、結局ライコネンは2ポイントしか差を縮めることができず、依然としてアロンソが24ポイント差と圧倒的なマージンを持っています。

 さて、BAR・ホンダ勢は、ジェンソン・バトンが予選13番手から見事なオーバーテイクをみせ5位入賞を果たしましたが、佐藤琢磨は昨日の予選でマーク・ウェバーの予選アタックを妨げたことにより、レース審査委員会から予選タイム抹消のペナルティを科され、最後尾から決勝を迎えることになりました。琢磨はフォーメーションラップが終わると同時にピットインし、給油をおこなって1ストップ作戦に切り替えます。レースがスタートすると、比較的オーバーテイクがしやすいとされる今回のイスタンブールで、琢磨は11台をごぼう抜きにして9位でフィニッシュしました。惜しくもポイント獲得はなりませんでしたが、バトン同様BARの底力を存分に見せつけたレースだったと思います。しかし、今回の結果を見る限り、やはり予選でのミスとその後の妨害行為が悔やまれますね。琢磨は本当に、まともに順当なグリッドからレースができないケースが多いですな。

 そして、今回もっとも驚きだったのは、やはりミハエル・シューマッハのリタイヤでしょう。シューマッハは昨日の予選をノータームで終えたため、エンジン交換を行ない19番手からのスタートとなったのですが、10位まで順位を上げていた14周目のターン12、タイヤのトラブルにより1周遅れの最下位となったマーク・ウェバーが、シューマッハのインを刺しますが接触。2台はマシン修復のための緊急ピットインを余儀なくされてしまいました。ウェバーはフロントノーズを交換しレースに復帰、シューマッハもタイヤを交換しコースに戻りましたが、シューマッハはマシンのダメージは大きく、翌周ガレージへと消えていきました。

 それにしてもシューマッハは、時々不可解な動きをしますね。過去7回もチャンピオンになっている史上最強のドライバーなのに、なぜシューマッハはときどき今回のような理解不能な行動をするんでしょうか。ターン12でインに入ったウェバーにかぶせるように、まるで全然ライバルに追いつけないことに対して八つ当たりでもしているかのように、思いっきりガツンとウェバーにぶつけていますからねえ。ウェバーを無理に抑えても順位が下がるわけでもなく、メリットも全くなかったと思うのですが。いずれにせよシューマッハは今回、自らの失態で無意味にレースを終えることとなってしまいました。シューマッハは自業自得だとしても、ぶつけられた方のウェバーはたまったもんじゃないですね。彼は予選でも琢磨に妨害されていますからねえ。

 シューマッハはこのことに関して「ウェバーの姿を見ていなかった」とコメントしていますが、昨年のバリチェロといいシューマッハといい、もしかしてフェラーリの2人は、昨年までは圧倒的に速かいマシンで後続車を気にすることがなかったので、それに慣れてしまい、ミラーをまったく見ていないのでしょうかねえ。もう一度普通自動車の教習所へ通うことをおすすめします。後方確認や側方確認を怠って、すげー減点されそう……。

 バリチェロも今回は10位に終わり、フェラーリは昨年まで得意だった初開催のサーキットで、ノーポイントに終わってしまいました。フェラーリの黄金時代はすでに終わりを迎えてしまったようですね。シューマッハは今回のリタイヤでポイントリーダーのフェルナンド・アロンソとのポイント差は40と開き、6年連続通算8回目のドライバーズ・タイトル獲得は、絶望的です。94年にシューマッハが発タイトルを獲得した時のように、すでに世代交代はもう始まっているんですね。



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