Mako Hakkinenn's Voice
by Mako Hakkinenn



 王子様の初ポール
2005年05月28日(土)

 F1グランプリ第7戦ヨーロッパグランプリ予選、今回から予選方式が変わり、土曜日に行われる1回だけの予選でスターティンググリッドが決まることになったわけですが、その新しい予選方式の中で、今回のヨーロッパグランプリの舞台となるドイツ出身のドライバー、ニック・ハイドフェルドが自身初のポールポジションを獲得しました。

 ニック・ハイドフェルドは1977年生まれの28歳。元々はメルセデスの秘蔵っ子で、メルセデスのジュニアチームで99年に国際F3000王者となり、翌2000年にプロスト・プジョーからF1にデビューしました。ところが当時のプロストチームはすでに経営難に陥っており、マシンは走らず、全くもってまともな成績を残すことができなかったハイドフェルドは、メルセデスにも見放され、2001年から2003年まではザウバー・ペトロナスで戦ってきました。しかし徐々に彼はザウバーの好調なチーム状況もあり、本来の実力も発揮し始め、トップチームから候補に挙げられる存在となります。そして昨年は一旦ジョーダンにステップダウン?してしまうものの、今年はようやくウィリアムズというトップチームに入ることができ、前回のモナコグランプリでは嬉しい2位表彰台という成績で終えることができました。
 そしてその波に乗ったままハイドフェルドは、母国ドイツでついに念願の初ポールポジションを獲得しました。F1参戦92戦目での達成は決して早いとは言えませんが、まあ一度もポールポジションを獲得できないままF1を去っていくドライバーもいるわけですから、ようやく才能が報われる結果となって良かったと思います。ハイドフェルドはその王子様のような端整な顔立ちで、バトンと並んで女性に人気のあるドライバーですから、彼のポールポジション獲得を喜ぶファンも多いと思います。決勝でも前回のモナコ同様、いい成績を期待したいですな。

 さて、その他のドライバーの予選結果ですが、今回から2戦振りにF1に復帰したBARの2台は、前2戦を欠場しているため琢磨が1番目、バトンが2番目の出走となってしまったため、まだ路面が汚れている状態なので良いタイムが出せず後方に沈んでしまいました。まあ今回はとりあえずきっちり完走して、次のカナダグランプリで中盤ぐらいの予選出走順を確保できればいいかなと思っています。
 上位陣はハイドフェルドを筆頭にライコネン、ウェーバー、トゥルーリ、モントーヤと続き、現在ポイントリーダーのアロンソは6番手とちょっと出遅れ気味だったのですが、驚いたのはフェラーリの2台ですな。ハイドフェルド同様母国グランプリであるミハエル・シューマッハは10番手、バリチェロですら7番手がやっとという結果、今回も中段に埋もれてしまいました。
 ロングスティントでは速さを見せてきているだけに、今回も燃料を多めに搭載して決勝に臨む戦略を採ってくると思うのですが、昨年まででしたら燃料の搭載量に関係なくいつでも速かったフェラーリ、今シーズンは予選で前のポジションを取れず、決勝でのピット戦略に頼らなくてはならないとは、何とも厳しい状況です。明日の決勝では、フェラーリがこの位置からどこまで追い上げを見せてくれるか注目したいところです。



↑エンピツ投票ボタン
My追加


≪過去 未来≫ 初日 最新 目次 MAIL HOME


My追加