Mako Hakkinenn's Voice
by Mako Hakkinenn



 尼崎列車脱線事故
2005年04月25日(月)

 今朝は尼崎でショッキングな事故が起こってしまいましたね。7両編成の列車が脱線し、1両目、2両目が線路脇のマンションに突っ込み、へばりつくように潰れてしまうと言う大惨事で、死者が50人を超えるJR史上最悪の列車事故となってしまいました。
 今日は朝から晩までこのニュースで持ちきりでしたが、列車を運転していたのは23歳の運転士で、列車運転歴はまだ11ヶ月だったということでした。報道では事故を起こした列車に乗っていた乗客らの証言が紹介され、直前の伊丹駅でオーバーランしてしてしまったために1分半〜2分の遅れが出てしまい、その遅れを取り戻そうと運転士がスピードを出し過ぎてしまったせいで事故が起こってしまったのではないかという推測が成されています。また今回事故を起こしてしまった運転士は過去にもオーバーランをしており、運転技術が未熟だったのではないかとも言われています。

 こうした報道で一番恐ろしいことは、そのワイドショーやニュースなどを見た視聴者が、すぐに事故を起こしてしまった運転士を非難してしまうということです。もちろん直接的な原因は運転士にあったかもしれませんが、乗客らの証言も「いつもよりスピードは速かった」というものもあれば「スピードはいつもより速いとは思わなかった」などと様々です。
 乗客は気が動転していますし、実際1分半の遅れが出ていたこともあったので、事故が起こって初めて「そういえばいつもより速かったかも」という錯覚に陥りがちです。また特にワイドショーなどのように、事件・事故をよりセンセーショナルでショッキングに演出する傾向のある番組では、「いつもよりスピードが速かった」という証言だけを紹介するようなケースも少なくありません。つまり、より事件を印象づけるために情報操作を行ってしまうということもあるわけです。

 また23歳の運転士についてですが、まだ運転経験が11ヶ月しかなかったこと、さらに過去にもオーバーランをしてしまった経緯があったにせよ、それらはベテランの運転士でも経験してきたことであり、そのことだけでは今回の運転士だけに責任を問う材料にはなりません。何せまだ事故の原因は全く明らかになっていないのですから。

 こういった事故や事件では、最初の報道で世間の見方は大きく影響を受けますよね。過去にも松本サリン事件で、全く無関係の会社員が容疑者のように扱われてしまったというケースもあります。我々視聴者は事件・事故の第一報や初期の報道だけで判断せず、調査が進んで事故原因の全容が明らかになるまでは、不用意な判断はするべきではないと考えます。



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