Mako Hakkinenn's Voice
by Mako Hakkinenn



 黒猫ロデム
2004年10月28日(木)

 うちのアパートのうちの階の廊下に最近よく黒猫が来ているのですが、この黒猫、うちの廊下に来るわりに警戒心がとても強く、どんなに手招きしたり猫じゃらしでおびき寄せようとしても、絶対に近づいてきません。常に一定の安全距離を保っており、僕が階段を上がってくると、約10メートルほど先で座り込んでいるのですが、僕が近づこうとするとすぐに中腰体制に入り、さらに近づくと立ち上がって逃走する構えを見せます。そこで僕はいつも近づくのをあきらめて自分の部屋に入ってしまうので、この黒猫に至近距離まで近づいたことはありませんでした。

 一度だけ接近したことがありました。そのときは真夜中に部屋の扉の外でがさがさと物音が聞こえ、初めは泥棒かと思ったのですが、その音がとても大きくて堂々としていたので、すぐに黒猫だと気づきました。そっと玄関の扉を開けて廊下をのぞき込むと、どうやら黒猫が次の日の朝にゴミ収集所に出そうと思って廊下に出してあったゴミ袋をあさっていたらしく、ゴミ袋が破け、中のゴミが廊下に散乱していました。そしてそのすぐ近くにはあの黒猫がいて、まるで「僕しらないよ」といった表情できょとんとこちらを向いていました。その距離約2メートル、これがこれまでもっとも至近距離に近づいた記録でした。

 そこで、この次遭ったらえさをあげようと思い猫缶を買っておいたのですが、今日仕事から帰ってきたら、いつものように10メートル向こうに黒猫がいたので、僕は早速部屋に入って猫缶を持って廊下に出ると、それを開けてお皿に移し、廊下に置く仕草をしました。
 すると、あれだけ普段警戒して近づこうとしていなかったのに、猫缶に気づいたのかてけてけとこちらに歩み寄ってくるではありませんか!しかし、やはり2メートルぐらいまで近づくとそこで足が止まり、そこからはまるで「だるまさんが転んだ」でもしているかのように、進んでは止まり、また進んでは止まりながら、僕の顔を見つめたまま少しずつ猫缶の方へ近づいてきました。
 仕方なく僕がその場から少し離れると、ようやく黒猫は猫缶にたどり着いて、軽く匂いをかいだ後、むしゃむしゃと猫缶を食べ始めたのでした。しかし、僕が音を立てるたびに食べるのをやめ、警戒するようにこちらに顔を向けます。食べている間にそばによってなでようと思ったのですが、近づきすぎると猫缶から離れて逃げようとするので、残念でしたが近づくのをやめ、猫缶を食べさせてあげることにしました。

 数分後に再び廊下へ出てみると、すでに黒猫は猫缶をぺろりと平らげた後で、さっさとどこかに行ってしまったようです。しかし、写真撮影には成功しましたぞ!







↑エンピツ投票ボタン

My追加


≪過去 未来≫ 初日 最新 目次 MAIL HOME


My追加