Mako Hakkinenn's Voice
by Mako Hakkinenn



 長さん逝く
2004年03月22日(月)

 ザ・ドリフターズのリーダーで、テレビドラマなどで渋い脇役としても活躍した、いかりや長介(ちょうすけ、本名・碇矢長一=いかりや・ちょういち)さんが20日、72歳でこの世を去りました。東京都出身。アマチュアのハワイアンバンドで活動を始め、1961年、ウエスタンバンド「ジミー時田とマウンテン・プレイボーイズ」でベースを担当、軽妙な司会でも人気を集めました。64年にザ・ドリフターズを結成、映画やテレビ、舞台で活躍します。ドリフターズのメンバーがコントや歌を繰り広げるTBSのバラエティー番組「8時だヨ!全員集合」(69―85年)は平均視聴率が最高で50・5%に達し、“お化け番組”と呼ばれるほどのブームを巻き起こしました。いかりやさんが番組冒頭で言う「オッス」は流行語にもなりました。90年、黒沢明監督の映画「夢」に起用されたころから、演技派の脇役としても活躍。日本テレビ系の2時間ドラマ「取調室」シリーズや、フジテレビ系の連続ドラマ「踊る大捜査線」の刑事役などが高く評価され、映画「踊る大捜査線 THE MOVIE」では日本アカデミー賞助演男優賞に輝きました。

 昨年5月、頸部リンパ節がんと診断され、放射線治療のため入院。7月からのTBS系連続ドラマ「高原へいらっしゃい」を降板し、一度は復帰して「踊る大捜査線 THE MOVIE2」の舞台挨拶に出席、復活をアピールしましたが、その後再び容態が悪化し、完全復帰はなりませんでした。

 いかりやさんの役者デビューは遅く、出世作は「独眼竜正宗」でした。その後その独特の雰囲気と一歩引いた位置からの存在感が評価され、様々なドラマで活躍しました。僕が印象に残っている出演作では「甦る金狼(リメイク)」「恋人はスナイパー」「GOODLUCK」「サイコドクター」「あなたの隣に誰かいる」などですが、復帰後に出演しドラマでは最後の出演作となった「あなたの隣に誰かいる」では、もうほとんどセリフを聞き取ることができなくなっており、病状の悪化がとても心配でした。

 遺作は映画「恋人はスナイパー劇場版」で、4月14日より公開されます。テレビ朝日系列で単発2時間ドラマとして放送されたシリーズの劇場版で、ウッチャンナンチャンのウッチャンが主演のアクションものです。僕はドラマのエピソード1・2と見ましたが、天才的スナイパーでテロリストというシリアスなウッチャンを見ることができます。いかりやさんはウッチャンの相手役である水野美紀の父親役、ラーメン屋の店主役で登場し、その壮絶な生い立ちから狙撃手にならざるを得なかったウッチャンの理解者としての存在感を発揮しています。

 いかりやさんは72歳と、高齢といえば高齢ではあるのですが、まだまだこれからも元気で活躍してくれると誰もが思っていた矢先の訃報は、とてもショックでした。ご冥福をお祈りしたいと思います。


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