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■ 「ミシェル・ヴァイヨン」を観る
2004年01月12日(月)
「グランブルー」「レオン」「ニキータ」「フィフスエレメント」「TAXi」「ジャンヌ・ダルク」などで知られるフランスの映画監督リュック・ベッソンの話題作、「ミシェル・ヴァイヨン」を観に行ってきました。そろそろ公開が終わるということもあってほとんど貸切に近いような状態で見ることができました。
この映画は父親のル・マンチーム「ヴァイヨン」で走る若きドライバー、ミシェル・ヴァイヨンと宿敵チーム「リーダー」との熾烈な争いを描いた作品ですが、同じレース映画の「ドリヴン」と比べてみると、舞台が「ドリヴン」の方は1年間で何戦も転戦するアメリカのインディシリーズ、「ミシェル・ヴァイヨン」はプライベーターでも参加できレースも1年に1回だけしか行われないフランスのル・マン24時間耐久レース。その違いもあってか、「ミシェル・ヴァイヨン」は「ドリヴン」よりもコース外での駆け引きや陰謀が多いという印象を受けました。ただ、「ミシェル・ヴァイヨン」は見ていると宿敵チームの「リーダー」のやり方があまりにも卑怯すぎて、物語に感情移入しやすい僕としては怒りがこみ上げずにはいられませんでしたね。「お前ら汚ねえぞ!そうまでして勝ちたいか!」と思ってしまいます。同時にル・マンといえばインディ500、モナコグランプリと並ぶ世界三大レースの一つに数えられる伝統的なレース、そんな世界が注目するル・マンでこんなことがまかり通って良いのだろうかと首を傾げてしまいます。そういった意味ではちょっとリアリティに欠ける、飛躍しすぎたストーリーでした。
撮影は実際にル・マン24時間耐久レースに出場して行われたらしいのですが、その辺の臨場感は大いに伝わってきますね。だからこそレースのシーンをもっと見たかったです。コース上での駆け引きよりも、裏の駆け引きやエピソードが意外に多かった作品でした。
俳優陣は、物語が始まってしばらくの間は、みんな似たような顔で主役も特に目立たない顔なので、どれがヴァイヨンなんだ?と思ってしまいました。主演のミシェル・ヴァイヨン役のサガモール・ステヴナンは、およそ映画の主役にはなりえなそうなさっぱり顔が印象でしたね。表情といい雰囲気といい、何だかフランスの佐藤琢磨といった感じです。その相棒であるスティーヴ役のピーター・ヤングブラッド・ヒルズは、どうみてもビルヌーヴでした。インディを制し、F1も制したビルヌーヴが、F1を引退して最後の栄光であるル・マンに挑戦するのを暗示しているのでしょうか。
ハリウッド映画にはない、フランス映画独特のエスプリの効いたおしゃれなレース映画、ワインでも飲みながら軽い気持ちで見る分には打ってつけかも知れませんね。
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