Mako Hakkinenn's Voice
by Mako Hakkinenn



 今夜もショットバー
2003年08月27日(水)

 昨日書いたとおり、月曜日の夜から近所のショットバーで飲んでいたわけですが、マスターの顔を忘れられないうちにと、今夜も仕事の帰りにお店に寄ってみました。で、今日は仕事が早く終わったので7時半過ぎに店に入り、1杯だけマティーニでも飲んで帰ろうかと思っていたのですが、珍しく自分以外にもお客さんがいたのでマスターと3人で会話が弾み、その後も自分以外に計3人のお客さんが飲んでいき、結局夜中の1時まで長居することになってしまいました……。1件の店で5時間以上も飲んでいたのなんて初めてだ……。

 ちなみに僕の他に来た3人の客の1人目は、鎌倉で手作りの機織物の店を出していて、静岡でも商品を置いてくれるところはないかと探している女性(年齢は不詳)。彼女は元々静岡出身なのですが、鎌倉に住むようになりそのまま店を出し、地元静岡でも自分の作った商品を売りたいと考えているのだとか。しかしどの店も「値段が高い」「知名度がない」などという理由で断られ、なかなかうまくいってないようでした。機織物は、まず機織機に毛糸をかけていく作業が面倒で、A4サイズぐらいのものを1枚織るにも5時間以上かかるため、手作業の価格としては今以下に落とすことはできないから仕方がないとして「知名度に関しては、作品展などを開いてお客さんも一緒に連れてきてくれるのであれば置いても良いというお店はあるようです。
 で、僕は正直機織物には興味はないのですが、作ってみたいという興味はあるので、おそらくそういう人は多いと思うから教室を開いてみてはどうかと提案しました。彼女曰く、食べていくにはそれもアリだけど、やっぱり自分の作った作品を売りたいというのが一番の目的なのだそうです。彼女はカクテルを1杯飲んで、早々と店を後にしました。

 2人目のお客は、どこか別の店で1杯飲んできたと思われる50歳代のお父さん。彼は焼酎のロックを注文し、いきなり政治の話や昨今の日本経済の話をし始めました。彼はしゃべり出したら一向に止まることなく延々と難しい話が続き、僕とマスターはただただあいづちを打つことしか許されませんでした。で、時々僕が「いや、それは違うと思いますね。だって……」と口を挟もうとすると、お父さんは「いやいや、いわんとしていることはわかるよ、でもね……」とこちらに有無を言わさず持論を続け、結局僕とマスターは最後までお父さんの長い話に延々と付き合わされる羽目になってしまいました。それにしてもマスターという職業は、こういったお客さんの相手を独りでしなければならないというのは、並大抵のことではありませんね。マスターは「もう慣れっこですよ」と言っていましたが、僕には無理だなと思いました。

 そして、お父さんが上機嫌で帰っていってしばらくした後、3人目のお客が静かに入ってきました。彼は40代中盤の寡黙な男性で、見るからに「業界人」の匂いをプンプンとさせていました。

(続く)


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