Mako Hakkinenn's Voice
by Mako Hakkinenn



 才能のある人が……
2003年04月02日(水)

 昨日、香港の名優レスリー・チャンが自殺しました。ついこの間は日本でも個性派俳優の古尾谷雅人が自殺したばかり。どちらも才能溢れた役者なのに、なぜ死ななければならないのでしょうか。僕らにはわからない、何か大きな問題が本人にはあったのだと思いますが、死ななければならないようなことだったのでしょうか。

 レスリー・チャンはウォン・カーウァイの映画「欲望の翼」と「ブエノスアイレス」で好きになり、日本でも知名度のある、これからさらに磨きがかかるであろう俳優でした。彼の2作を見て、香港映画の素晴らしさを知り、そして香港という独特の雰囲気を持つ舞台の魅力を再確認しました。
 古尾谷雅人は、その容姿からクセのあるシリアスな役が多かったですが、物静かでありながら存在感を放ち、この先高倉建のような、日本を代表する俳優の一人になっていくと信じていました。松田優作が好きだった僕は、彼の死後、古尾谷雅人を「ポスト松田優作」と勝手に位置づけていたのですが、彼もまた死に急いでしまいました。

 残念というよりも、悔しいですね。ファンの期待を裏切って、自ら死んでしまうなんて。この悔しさを味わったのは伊丹十三が自殺したとき以来です。世の中には生きたくても生きられない人々が多くいるというのに、家族や友人たちに悲しい思いをさせ、自分だけ先に逝ってしまう、自殺というものは最も愚かな行為だと思います。


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