まみいの日記
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今仕事から帰ってきた。 今日は 週明けで いつもより少し忙しい。 そんな昼 外歩きを続けていたら頭が痛くなってきた。 近くの公園で 持っていたタオルをぬらして首筋を冷やすと とてもすーっとしていい気持ちだ。 しばし木陰のベンチで 休憩タイム。 ここは近くに住んでるお母さんたちが 子供を連れて集まってくる 大きな公園だ。 しかし こんな暑い日でお昼をすこし過ぎようとしている時間もあってか ほとんど人はいない。
そよそよ吹いてくる風に うとうとし始めた私は 肩をポンポン叩く気配にふっと目覚めた。 目を開けた私のまん前に この暑いのに ウサギの着ぐるみをきた人が立っている。 「??」 ウサギはしゃべることが出来ないのか 私にジェスチャーで何時なのか尋ねている。 私は最近暑苦しいので 腕時計をしていない。携帯を取り出すと 「12:10よ」とウサギに見えるように かざしてやった。
ウサギは すると何を思ったのか 私から携帯をもぎ取ると公園の出口に向かって すたこら歩いていくではないか?? 「ちょっと 待って! それは私のものよ。 返して〜〜」 私は 荷物をそのままに ベンチから飛び出してウサギを追いかけた。 周りに誰も人がいなくて助けてもらえない。 意外に速いウサギは もう出口から表の通りを横切ろうとしている。 「ああ 荷物が・・」 ちょっとためらったが 早く行って捕まえた方がいいわ と 追いかける方を選んだ私。 もう少しで 手が届くその時に ウサギはひょいっと角をまがった。 続いて角を曲がった私は 思わず足をとめた。 「うそでしょう?」 そこには ケーキ屋さんの前にたむろするウサギの着ぐるみだらけだったのだ。
どこをどう捜したら あのウサギに会えるのだろう? 私は泣きそうになった。 ウサギの周りをぐるぐる ぐるぐる回っていると ウサギに押されて 私はケーキやさんに入った。 「いらっしゃい。 5分でこのお皿の上のケーキを全部食べたら あの携帯はあなたのもの」 「え? あなたのものってあれはわたしの・・」 「どうするの? やるのやらないの??」 「や やります。」 実際 お皿の上には 2つのケーキそれも私の大好きな一口サイズのチョコケーキがあるだけなのだ。 お店の中は ウサギの着ぐるみだらけ。 その真中で一体私はなにしてるんだろう? 「用意・・はいはじめて」 掛け声と同時に 私は口をおおきく開けてケーキをほおりこむ。 すると今まで 見ていただけだったウサギたちが一斉にお皿にケーキを載せはじめたので お皿の上は チョコケーキが山盛りになっていく。 ウサギは後から後から乗せつづけるので お皿から落ちたケーキで お店が埋まりそうだ。 「やめて やめて お願いだからもうやめて」 私は ケーキをかき分けかき分け やっとのことでそのケーキ屋さんから出ることが出来た。
チョコでべとべとになった手を拭き拭き 後ろを振り返ると あのケーキ屋さんの出口から チョコケーキがどんどん溢れてくる。 どうなっちゃったんだろう?? 何がなんだか判らない私は とりあえず 先ほどの公園に向かった。
先ほどの公園では あの騒ぎもなかったかのような静けさだ。 さっきのベンチに戻ると ありがたいことに荷物はそのまま残っている。 私は胸に荷物をかかえて どっとベンチに座り込んだ。 何が起こったの? 私はどうしちゃったの? 頭の中をさっきから同じ質問がぐるぐるまわっている。
私はどれくらいそうしていたのだろう? 肩を叩く気配に ふっと目が覚めた。 「おばさん 今何時?」 耳元で大きな声で聞かれて 私はびくっとした。 胸に抱いた荷物をさぐってみると なんと携帯があるではないか? 目を丸くしている私をしりめに サッカーボールを持った小学生数人は じれったそうに 携帯に手を伸ばしてきた。 とられてなるものか! 私は キッと少年を睨むと 時刻を読んだ。 「12:15だわ」 ??? 私がウサギを追いかけてから 5分しか経っていないはずがない。
「ありがと」 「サンキュウ」 「ありがとうございました」 それぞれの少年のお礼の声を聞きながら 私は今までのことが夢だったことを知った。
〜〜そういえば昨日は寝しなに「不思議の国のアリス」を読んだんだっけ〜〜
ここまで読んで下さった辛抱強いあなた ありがとう!!
まみい
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