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ごめんね、ごめんね 抱き締めてもらって 何度も頭をなでてもらって でも溜まっていた不安が 一気に出てきた私は、私を 止められなかった。 結局、彼は帰る時間になる まで私をなだめ続け、 沢山の謝罪と優しい言葉で 私は泣き続けた。 身支度を進める彼。でも 私はずっとベッドの中で。 薄いカーテン越しに見えた 彼は、 起きなくていいからね、 そのまま寝てていいから、 と何度も言って部屋を 出ていった。 ドアが閉まる音を聴いて、 頼まれていたものを渡せな かったことに気がついた。 今さら追いかけるなんて できないし、なにより 会ったのにしないなんて 今までに無くて、それが ショックで動けなかった。 ゴボゴボと泡を吐きながら 水中に沈んでいくみたい。 私の心は破れ、一旦底まで 沈むことになった穴の話。 |