私の音楽日記

2004年12月17日(金) 「Myself」  松原みき  1982.3

松原みきさんの4枚めのアルバム。Myself…自分自身を見つめなおす。
ジャケットと歌詞カードのみきさんはとてもすてきで、
その凛と美しいまなざしは、
自分自身を見つめなおすまなざしなのでしょう。
オレンジの口紅がとても似合っています。

このアルバムは日米プロジェクト第2弾のアルバムで
演奏はビシッとタイトでもちろんかっこいいです。

聴けば聴くほど最高にいい。
このアルバムでは、言葉の語呂合わせにとても惹かれました。

 ”あなたといれば 微熱が平熱  「微熱が平熱」
 
 ”私にすれば 短すぎた memory
  あきらめ上手が 哀しいわ   「カランドリエ」

この「微熱が平熱」と「あきらめ上手」という言葉に当時、はまってました。

このアルバムの曲の節々には、
たくさんジャズ風のソロ演奏がアレンジされていて、
歌だけでなく、演奏もゴージャスでちょっとジャズ風になっています。
みきさんの歌がそのゴージャスな演奏に少しもひけをとらず、
むしろ華やかに彩り、こんなシンガーは日本にはいなかったなあと
今更ながらに思い出します。
どの曲も素晴らしい出来栄えなのですが、
私は「微熱が平熱」のポップで明るく
そして、高度なテクニックの歌いまわしが大好きです。
さらっと恋の頂点を歌っているようで、
実は大変難しい歌だと思います。

「カランドリエ」はこのアルバムで一番好きですが、
何語だったか忘れましたが、たしか「カレンダー」という意味だと思います。
あなたが出て行ってから、机の隅のカレンダーも止まったまま…という歌だけど、
普通ならちょっと暗くなりがちなメロディーと歌詞なのに、
カラッと乾いた演奏にほどよい湿り気のあるボーカルで
少しアンニュイだけど、さらっとしている私好みの楽曲です。
何より「カランドリエ」と「あきらめ上手」という言葉にゾッコンです。
「あきらめ上手」...とても憧れる。
私もかなりのあきらめ上手ですが、もっと極めたいです。

B面の「流星スウィング」は確か小ヒットした曲だと思いますが、
スウィング感が気持ちよくて、ベースラインで歌っている感じです。
ピアノのタッチもすべるようでなめらか。
これも恋の頂点を歌っていて、やはりこういう恋の最高峰を
しつこくなくさらっとかっこよく歌えるのはみきさんならではでしょう。
歌の途中でフェイドアウトしていくような終わり方で
ライブではどんな感じだったのでしょうか?
これは本当にかっこいい。
J-POPでこんなかっこいい曲が他にあるかな?

「SEE-SAW・LOVE」はハスキーな声がますますハスキーに
そして英語の部分が巻き舌になって本格化しているけど、
あくまでもくどくなくって、さらっとさわやかです。
アドリブもすごい。
当時、こんなアドリブのできるアーティストは他にいたのでしょうか?

このアルバムには恋の頂点を歌っている曲が多くて、
天真爛漫なみきさんを表現している大傑作です。

一生聴けるいいアルバムを残してくれたみきさんに感謝するばかりです。




    


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