私の音楽日記

2004年12月13日(月) 「人生・春・横断」  ふきのとう  1979.

毎年晩秋から冬になると、鮮やかな風景を感じられるふきのとうの歌が聴きたくなる。

どの歌にも情景がある。
すぐにぱっとひらめく景色や、これはどんなところかなと
興味を書きたてられる景色やここへ行ってみたいなと思ったりもする。

このアルバムは春の歌「春雷」
秋の歌「まるで気まぐれ秋の風」「柿の実色した水曜日」「ば〜じにあ・すりむ」
冬の歌「沫雪」とどの歌にもはっきりと季節を感じることができる。
中でも「柿の実色した水曜日」を聴いていると、当時も今も

 覚えてるかな 逢った日の
 空と山の色
 柿の実色した水曜日
 初めて君を見た

なんとなく自分の初恋を思い出してしまう。

「ば〜じにあ・すりむ」はバージニア・スリムが似合う恋人との別れのシーンを書いた歌で
とても大人っぽくて当時は非常に憧れた。
でも、たばこを知らない私は、バージニア・スリムが何なのか知らず、
わざわざタバコ屋さんまで見にいった。
細くてきれいなタバコだった。
今でも自販機などで見かけると思わず見つめてしまう。
たばこが似合う女性やワインが似合う女性にはとっても憧れるが、
私はどちらにもなれなかった。

圧巻はラストの「青空」だと思う。
これは細坪さんの力作でしょう。

 吹き上げる風に 背中を向けるのは
 心を閉ざしたからじゃなく
 彼の得意なポーズだってことは
 鏡の裏に見えている

 夢見た夢がひとつまたひとつ
 腕から滑り落ちてゆく
 けれど恐いのは その事じゃない
 夢が壊れる事じゃない

 夢があるんだと ただそれだけで
 何かを掴んだつもりになって
 死んじまった夢を 抱えたまま気付きもせず
 ぼんやりと空を 眺めてる

  ああ なんて 今日は長閑な日だ
  なんて 幸せそうだろう
  今日も 大空に絵を描くんだ
  write way up まずクレヨンで
  write way up そして絵の具で
  write way up 吹き出す赤い血で
  way up 廃墟を塗り潰してしまえ

あの頃は毎日この歌を聴いて心で思って空をながめていた。

きょうは久々に大空に私の血で絵を描いてみたいと思う。






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