2004年10月07日(木) |
「哀しみの孔雀」 杏里 1981.9.21 |
このアルバムはちょっと不思議なアルバムで、LPレコードの方にはプロデューサーやミュージシャンのクレジットがあったのに、 CDの方にはそれらのクレジットはおろか、作詞作曲者の名前さえ書いてない。 どうしてこんなことになったのか不思議。 曲名だけしか書かれていない。
私の大好きなミュージシャン、ムーンライダーズを中心に 大貫妙子さんや佐藤奈々子さんパンタさんらが参加 もしくは作詞、作曲されていて、それは個性あふれるアルバムです。 おそらく杏里の数多いアルバムの中で、一番位置付けの難しいアルバムでしょう。 ファースト、セカンドと尾崎亜美さんの曲を中心として、ポップ感抜群であり、 翳りもあるという路線で来て、 第3弾でいきなり、アンニュイな世界に入ってしまう。 どうしてこの当時このような変わったアルバムがでたのでしょうか。
でも、私は非常に好きなアルバム。 個性の強い曲を杏里なりに淡々とある時は冷たく、ある時は弾んで、ある時はひたすら悲しく歌っている。
「白いヨット」
”真白いヨットが 入江をすべる 真白い三角帆を 光でふくらませて 夏の終わりを見とどけるように ヨットは沖へでていく
実に大人っぽいです。当時杏里は19か20歳なのですが、 大人っぽいけれど、背伸びはしていない。
「いつの日か Happy End」は当時杏里にぴったりの曲かな。 難しい曲をあっけらかんと歌いこなし歌のうまさが際立っている。
他の曲もとにかく背伸びしていないのに、大人っぽく淡々としている。
しかし最後の曲「哀しみの孔雀」だけは杏里のバラードそのもの。
これ以降のアルバムはポップ路線をひたすら走りつづけているようですが、 あれほどの歌の上手さなので、 またこの『哀しみの孔雀』のようなひたすら上手く淡々と歌うアルバムも 聴きたいと思ってしまう今日この頃。
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