クンデラ「冗談」も喪失がテーマ。 最近の大好きな作家。 彼の作品は愛、哲学、審美観、心理分析等 脳髄を刺激される。
著者のまえがきより
「人は未来の天国を失っても、まだ過去の天国、失楽園を 手にしている。
忘却によりたえず蝕まれている人生に私たちをかたく結び付けて いる絆が、ノスタルジアである。 慈悲深いノスタルジアと無慈悲な懐疑が、天秤の両皿として この小説の均衡を保っている。」
この前書きの抽象的ともいえる内容を丁寧に小説の中で 語っていく。
「レディチャタレイ」を見た 原作はロレンス「チャタレイ夫人の恋人」 チャタレイは愛欲に溺れ、堕落するというイメージだが 実際は聖女のように純粋な女性 猟番と身分違いの愛に目覚め、性も開花するという 当時のご夫人方はうっとりと小説に読み耽ったのだろう 愛欲に溺れるなら堕落してほしいと思うので これは綺麗ごとすぎるのではないかと若干不満。 ここが、イギリスとフランスの違いかな。 私は、やはり「ボヴァリー夫人」のように自己破滅こそ愛欲だと 思いながら、飲み会にのぞんだ一日だった
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