りえるの日記

2007年12月18日(火) 喪失

クンデラ「冗談」も喪失がテーマ。
最近の大好きな作家。
彼の作品は愛、哲学、審美観、心理分析等
脳髄を刺激される。

著者のまえがきより

「人は未来の天国を失っても、まだ過去の天国、失楽園を
手にしている。

忘却によりたえず蝕まれている人生に私たちをかたく結び付けて
いる絆が、ノスタルジアである。
慈悲深いノスタルジアと無慈悲な懐疑が、天秤の両皿として
この小説の均衡を保っている。」

この前書きの抽象的ともいえる内容を丁寧に小説の中で
語っていく。

「レディチャタレイ」を見た
原作はロレンス「チャタレイ夫人の恋人」
チャタレイは愛欲に溺れ、堕落するというイメージだが
実際は聖女のように純粋な女性
猟番と身分違いの愛に目覚め、性も開花するという
当時のご夫人方はうっとりと小説に読み耽ったのだろう
愛欲に溺れるなら堕落してほしいと思うので
これは綺麗ごとすぎるのではないかと若干不満。
ここが、イギリスとフランスの違いかな。
私は、やはり「ボヴァリー夫人」のように自己破滅こそ愛欲だと
思いながら、飲み会にのぞんだ一日だった


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