りえるの日記

2007年10月01日(月) パイドロス

日経にプラトン「パイドロス」の記事が載っていた。

白川静を読んだ後、プラトン「パイドロス」を読むと、
印象が強いと。
エロスをめぐる古典がアジア的に見えてくるらしい。

「プラトン描くソクラテスはギリシアにおいても
占ト(せんぼく)から予言への展開が
あったとして神かがりの狂気として尊んでいる
この神がかりには、予言、秘儀、霊感、恋の
四つの狂気があり、それぞれアポロ、ディオニュソス
ミューズ、エロスに配分されているのだという」

この新聞の解説だと、意味がよく分らないが、
4つの狂気の言葉に魅了されたので、パイドロスを検索してみた。

「恋している者は狂気に獲り付かれている」ということに対し、
ソクラテスは「狂気」こそが素晴らしいもので、
神による贈り物であることを証明する方法を取っていく。」

証明するという弁論術とは、

「弁論術とは、これを全体としてみるならば、
言論による魂の誘導であるとはいえるのではないだろうか」

この作品のテーマである美と恋(エロス)を翼のある魂のイメージと
結びつけた以下の言説が最高であろう。つまり、

「魂の翼を潤すためには、恋人(美少年)が放出する美の
微粒子が必要なのだ」

「饗宴」でもプラトンの美しさに感動したけど、
「パイドロス」もよさそう。

最後に、プラトン「ヒッピアス」偽りの解説より
プルーストの引用。

「たとえ偽りにせよ、口にした悲しい言葉は、
それによって悲しみを伝え、われわれに悲しみを注入する。」

マルセル・プルースト


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