日経にプラトン「パイドロス」の記事が載っていた。
白川静を読んだ後、プラトン「パイドロス」を読むと、 印象が強いと。 エロスをめぐる古典がアジア的に見えてくるらしい。
「プラトン描くソクラテスはギリシアにおいても 占ト(せんぼく)から予言への展開が あったとして神かがりの狂気として尊んでいる この神がかりには、予言、秘儀、霊感、恋の 四つの狂気があり、それぞれアポロ、ディオニュソス ミューズ、エロスに配分されているのだという」
この新聞の解説だと、意味がよく分らないが、 4つの狂気の言葉に魅了されたので、パイドロスを検索してみた。
「恋している者は狂気に獲り付かれている」ということに対し、 ソクラテスは「狂気」こそが素晴らしいもので、 神による贈り物であることを証明する方法を取っていく。」
証明するという弁論術とは、
「弁論術とは、これを全体としてみるならば、 言論による魂の誘導であるとはいえるのではないだろうか」
この作品のテーマである美と恋(エロス)を翼のある魂のイメージと 結びつけた以下の言説が最高であろう。つまり、
「魂の翼を潤すためには、恋人(美少年)が放出する美の 微粒子が必要なのだ」
「饗宴」でもプラトンの美しさに感動したけど、 「パイドロス」もよさそう。
最後に、プラトン「ヒッピアス」偽りの解説より プルーストの引用。
「たとえ偽りにせよ、口にした悲しい言葉は、 それによって悲しみを伝え、われわれに悲しみを注入する。」
マルセル・プルースト
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