りえるの日記

2007年09月21日(金) 卒塔婆小町

三島「近代能楽集」の「卒塔婆小町」を読む。

これは面白い。
泉鏡花を思い出させる不可思議な世界。
こういう作品は好き。
この舞台化は見たい。
能とギリシア古典劇は似ていると解説に書いてある。
どちらも未開拓分野なので、読んでみると
面白いかも。

醜い老婆は詩人に言う。

「私を美しいと云った男はみんな死んじまった。
私を美しいという男は、みんなきっと死ぬんだ」

詩人は深草少将を演じながら老婆の話を聞く。
すると夜の公園は、明治時代の鹿鳴館の美しい庭に変わり、
舞踏会のために着飾った男女が現れる。

醜い老婆はかつての美しい小町となって、
詩人は美しさに魅了される。
九十九夜、九十九年の魔力に包まれて・・・


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