ホテル近くのパン屋さんで買ったクロワッサン 外がカリッとしておいしい。
早起きをし、サン・ジェルマン・デ・プレ教会に。 ステンドグラスのうす灯りの濃紺の光線を あびながら朝の黙祷をする。
徒歩で愛する中世美術館の 「貴婦人と一角獣」のタピストリーに会いに行く。 今日は、人が多い。 学校の芸術の授業なのだろうか。 老婦人の先生が子供達に質問をしながら説明している。 子供達も神妙に聞いている。 芸術表現をフランス語で聞く絶好のチャンスなので 私も一緒に聞く。 6帳のうち5帳は人間の5つの感覚、視覚、聴覚、味覚 臭覚、触覚を寓話的に表現したものだ。
ほの暗い部屋の中のタピストリーの深い赤色 ゆっくり流れていく空間。 月の光に浮かびあがる一角獣の白い角が どこか遠い星の彼方に連れていってくれるような気がする
感傷的な気分になりながら、外に出る。
この美術館の近くに大きな本屋さんがある。 2年前にも訪れた。 今回の目的はロジェ・グルニエの本。 店員さんに聞くと、とても親切だ。 「シネ・ロマン」が欲しかったが、 「別離のとき」しかなかった。 新刊、古本両方あり、古本を買った。 5ユーロとお得。
チュイリー公園で 前日会ったパスカルとカフェで語り会う。
歩き疲れて喉が渇いたので私はビール。 彼はエスプレッソ。 今日のパリは暑い。 なぜか、パスカルの装いは革ジャケットとマフラー。 外人の体温感覚はおかしいと思う。 年齢不詳のパスカル。多分私よりかなり年上だと思う。 何人にも声をかけているのだろうけど、 趣味があうので話していて面白い。 妙に日本情報に詳しいので笑える。 文学、芸術について語りあう。
私の拙いフランス語では、言いたいことが充分表現できなくて 歯痒い。 思い出の品として、彼の家にあったモリエールとポーの本をもらう。 ポーは私が好きな短編モレラも入っていた。 嬉しい。思わぬ贈り物だ。
セーヌ川を眺めながら、ノートルダム大聖堂まで歩く
「Je suis contente de vous voir.」 「moi Aussi」 「Un jour」
見知らぬ土地で、出会う。 ひとり旅の醍醐味。
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