リムジンバスに乗る。 時間全てが自分のもの。 それを感じるだけで嬉しくなってくる。
香港経由で。 飛行機の中ではロマン・ロラン「ジャン・クリストフ」 素晴らしい作品に何度も涙がでる。 力強く破天荒なクリストフ。貧しい家族。 ドストエフスキーの作品と同じ力を感じる。
早朝、パリに着く。
リヨン駅までロワシーバスに乗り、TGVでディジョンに。 飛行機での疲れがとれないまま、列車の中で寝てしまう。
ディジョンに着き、インフォメーションに。
迷いながらホテルに到着。 地図を読むのが苦手な私は、到着するまでに 何人かに尋ねながら探しあてる。
チェックインには早いので、街散策。 近道をしようと思ったのが間違いで、 また道に迷ってしまう。 我ながら自分が嫌になる。
ディジョンは、小都市で1日あれば充分回れる街だ。
ホテルにチェックイン。 Philippe de Bon
シャワーを浴びて、着替えホテルのレストランに行く。 ヒールの靴を履き、少し小綺麗にするだけで随分と 気分がよくなる。 36ユーロのPetit Menu 心地いいレストランは家族ずれと、老人夫婦と 和やかな雰囲気。 ゆっくり食べていると、フランス人の子供が 私の方に向かってきて、興味深そうに笑っている。 「お名前は?」と聞くと、「アルマン」 アルマンは、ひとりで食べている私に 「Tu manges quoi?」と。 母親がやってきて、 「邪魔してごめんなさい。 ひとり旅なんですか。 「フランス語を勉強していて、色々試してみたいのです」 「日本人はrの発音がお苦手だそうですね」 「そうなんです。とてもむずかしくて」
そして、これからの旅程を話し、 最後に可愛らしいアルマンが 自分の知っている日本語を誇らしげに言った。 「もしもし、こんにちは」
私の旅の始まりは、アルマンの無邪気さに 助けられた。
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