久々に眠れない夜を過ごしてしまった。
夜、寝床の中で読書をするのは、昔からの習慣、 でも布団にもぐり込むのは、最近はいつも夜中の十二時前後、 たいてい、数ページ読んだところで、たちまち意識朦朧となり、 コテ〜ンと朝5時過ぎまで眠りこけてしまう。 だから、一冊の本を読み終えるのに、やたら何日もかかる今日この頃。
土曜日、「火の粉」(雫井脩介著)を読み始めた。 読書に没頭したいために、わざわざ早く寝床に着いた。 そして時間のたつのを忘れて、夢中になって読んだ。 真夜中になっても、いつもの眠気はいっこうに訪れなかった。
読み終えたのは、いったい何時頃だったのだろう。 「草木も眠る丑三つ時・・・」という言葉が、ピッタリの感じだった。 シーンと冷たい暗闇が迫ってきたかと思うと、 突然、強烈な恐怖心が襲ってきた。
ミステリー小説は、真夜中に深読みしない方がいい。 これが昼間や夕方だったら、本をバタンと閉じて、 食事の支度、洗濯物の処理など、家事やテレビに紛れて、 すぐに現実に戻ることができる。 真夜中の布団の中では、恐怖シーンが頭の中で何度も反芻されてしまう。 それに加えて、暗闇は恐怖心を倍増するようだ。
しかし、怖いミステリーだったなぁ。 一家惨殺事件で無罪判決を受けた被告が、 その裁判官の家の隣に引っ越してくる。
そして・・・
私は、その後も、眠れなかったよ。 おトイレに行きたいのに、怖くて行けなかったから。 (ちなみに、二階のトイレは、寝室のすぐ隣) すっかり恐怖心に支配されてしまったアカンタレ。 幼い二児の母親をやっていた時代が、 こんな自分にあったなんて信じられないよ。
もう、夜中にミステリーを読むのは止めようと、何度も思った。 昼間だったら、そんなに怖くは感じなかっただろう。 いいえ、昼間でもなんでも、暫くミステリー小説から離れよう。 これからは、もっとホンワカした小説を読むことにしよう。 なんて、いろいろと、寝返りをうちながら考えてしまった。
でも、やっぱり面白かったよ! 「火の粉」
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