そよ風


2004年12月24日(金) 迷い

「他人事だと思ってる人が約100万人」
パンフレットの最初のページの言葉。

今日のクリスマスイブに、ふさわしくない話ですね。

私なんて、自分の病名を知っていても、それは「他人事」。
長期間、全く無症状なうえに、ハッキリ言って、私は風邪もひかない丈夫な人。

そして、こと自分に関しては、病気とも言えないようなC型肝炎のことを、
こんなところに書く予定は全くなかった。

「私の血液を輸血でもしない限り、決して私からは感染しない」
と、現代医学で確証されていたとしても、
余計な疑いをかけられたり、変な心配をされるかも知れない、という不安がある。

自分や身近な人がその病名を告げられない限り、
誰もその病気のことを、正しく理解しようと努力しないと思うから。

特に隠す必要もないけれど、言う必要もないと思う。
日記の中だけでなく、実際の日々の生活の中に、
この病気があまり登場することはない、と甘い予想をしていた。

一生、このウイルスを抱えながらでも、栄養と健康に気を付けていれば、
肝硬変や肝臓癌になることもないだろう、と。
だから、今のままで、ずっといいのよ、って。

先日、七年ぶりくらいで市民病院で診察を受けた。
そして、思いがけずインターフェロンによる治療を強く勧められた。

今、できるだけ早く治療すれば、完治する確率が高いそうだ。
それでも、50パーセント。

「保険は下りるのですか?」「はい」

「髪の毛は、抜けるのですか?」「多少はね・・」(それ、けっこうツライよ)

「今、私はとても元気だし、肝機能(GOT、GPT、γーなど)は、ほぼ正常値です。」
「今は、ウイルスが暴れていないからですよ。」
(腹立つわ、ウイルスのヤツ・・私の体内で、ぬくぬくと・・・)

「このまま、一生、暴れないで大人しくしていないのでしょうか」
「たぶん、60歳前後で暴れ出す可能性があります。ウイルスの値は高いです。」
(アンタ達が体内に、じぃっと潜んでるから、風邪のウイルス達も怖がって近寄らないのね!)

「暴れだしてから、インターフェロンの治療を始めてはダメなのですか?」
「完治する確率はグンと下がります。インターフェロンの量も増えます。」

もし、今、少しでも肝炎の症状に苦しんでいたなら、きっと、即決したと思う。
でも、私は、今のところ、とても元気で楽しい日々。

運が良ければ、このまま、肝硬変にも肝癌にも進行しないで、
そこそこ健康に歳を重ねて行けるのでは、と期待してしまう。

インターフェロンの副作用は、調べると決して穏やかではない。
一年間、耐える価値はあるのだろうか。
完治しない場合もあるのだ。確率は半分・・

保険は下りても、インターフェロンは高額だ。
それに、髪の毛が復活するまで、どうすればいいの?
やっぱり、高額なア○ランスも買ってもらわないと。

こんなこと、今、現実に病気と闘っている人達から見れば、贅沢な迷いだろうけど。


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