そよ風


2004年11月09日(火) 遠くの親戚よりも・・・

昨日は、主人の親戚のお葬式だった。
今年87歳になった主人の叔父に、私は数えるほどしか会ったことはないが、
主人と参列するために和歌山まで出かけた。

子供のいない人が、お歳を召して亡くなると、お葬式は寂しいものだなあと、正直思った。
子供がいれば、結婚し、親戚も増え、孫もできる。
子供の仕事関係の人、友人など、一般参列の人数も増える。

「お年寄りばかりの寂しいお葬式やなあ・・・」
最初は、たしかに、そう思った。

式も終わりに近付き、永眠する故人の胸元に花を置く時が来た。
親族は少なく、ほとんど面識もない私もその一人として、百合の花をそっと置いて、手を合わせた。

次に、司会者が「一般の方もどうぞ最後のお別れを」と案内した時、
一般参列の席から、ゾロゾロとお年寄り達が花を片手に、列をなしてやって来た。

手をつないで支え合って歩いて来る人、腰を曲げて歩いてくる人、
大事そうに花を握りしめて、ゆっくり、しっかり歩いて来る人、
その人数が多いのに、まずびっくり。

永眠する故人のところで、みんなポロポロと涙を流して、花を置き、
何度も故人の顔を覗き込み、手を合わせている。
故人を取り囲むように集まって、お棺の中は、花で溢れるくらいいっぱいになった。

その光景を見て、初めて、ジーン・・・となった。

そして、思った。

「遠くの親戚よりも、近くの友達!」

自分のお葬式の時に、どれだけの人が私の所まで来て、涙を流してくれるだろう・・・
どれだけの人がほんとうに私との別れを悲しんで下さるのか・・・

そんなことを考えてしまうなんて、やっぱり歳ねぇ。


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