にゃも日記
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先週のある日、出社すると、吉川がまだ来ていなかった。 遅刻だったんだけど、入って来た吉川を見て、誰も<寝坊か、春やしな。ニヤニヤ>みたいには思えなかった。 吉川が、泣き腫らした顔をしていたから。
消えるような声で、上司に理由を話しながら、ぽろぽろと泣く。 ついには言葉が出なくなり、しゃがみこんでしまった。
上司に抱えられて、別室に行き、暫くして出て来て、ようやくといった感じで、今週は休みますとだけいって、帰って行った。
今週も、まだ。
一番仲の良かった友達が、ある日突然、死を選ぶというのは、家族と同じくらい、辛く悲しいものだろう。 なんでだ!?って。
もうどこにも、その人はいないんだよな。 と、喪失感や悲しみを、ある程度想像はできても、実際には程遠い。
吉川の事を上司から聞いたオジサンたちは、うへぇという顔をしただけ。会社のドライさを感じる。 そして仕事はいつものように進んでいく。
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