Rocking,
Reading, Screaming Bunny
Far more shocking than anything I ever knew. How about you?
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*名前のイニシャル2文字=♂、1文字=♀。
*(vo)=ボーカル、(g)=ギター、(b)=ベース、(drs)=ドラム、(key)=キーボード。
*この日記は嘘は書きませんが、書けないことは山ほどあります。
*文中の英文和訳=全てScreaming Bunny訳。(日記タイトルは日記内容に合わせて訳しています)
*皆さま、ワタクシはScreaming Bunnyを廃業します。
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2010年03月12日(金) |
Nobody gives a damn about me or anybody else |
うちに2年半通ってる生徒が言うことにゃ、「先生、あたし、30万円でシミ取りすることにしたんです。エステサロンに申し込んできました」って。見れば胸元にほんの数ヶ所ぽつりぽつりと、鉛筆の先でついたくらいの黒い点が。 「ちょ、ちょ、ちょっと待って。ソレ解約して。いやあの。もちろんあなたの決めることだけど。でも」と珍しくうろたえる私。 痩せて小柄な生徒である。顔立ちは整っていて、女っぽくはないが、くっきりした個性があって可愛い。毎週ボディボードに行くから年中色黒で、そのせいで胸元にシミが出来るんだろう。だが、言われるまで全く気づかなかった。 「先生のデコルテ、きれいですよねえ。羨ましくて」という彼女。・・・は? 私、気づいてませんでしたけど。
「そんなシミなんか誰も気にしないって。今言われて初めて気づいたよ。しかも、どっちかっていうと外人のソバカスみたいで可愛いし。むしろ消さないほうが」というが、納得しない彼女。 聞けば、レーザー射ち放題で30万らしい。エステと英会話の通い放題なんて信用できない。シミが消えるまでかなり長くかかると言われたらしいが、長期のレーザー照射なんて体にいいものじゃないだろうに。と、健康面からも説得するが、やはり納得しない。
そういえばシミって英語でなんていうんだろう。「食べこぼしのシミなら"stain"だし、インクのシミなら"blot"とかでしょ。"smudge"はなすりつけたみたいなシミだし。でもお肌のシミって英語にあるの??」と言うと、「"spot"ですよ。調べました」と答える彼女。「でも"spot"って、動物のブチとか、ソバカスじゃないかな。肌のシミの為の単語って英語にないんじゃない? ということは外人は気にしてないんだよ。ほら、欧米人なんか体中ソバカスだらけでも平気で出してるし」と無理やり言ってみるが、やはり納得しない。 とにかく何をどう言っても納得しない。
そこでふと思い出した。実は私はちょうど一週間前、悩んだ末にとうとう髪を切ったのだ。後ろが15cm、前はそれ以上で、要するに腰骨をおおっていた髪が、胸を隠す程度にまで短くなった。滅多に見かけないような超ロングが、普通のロングになったのだ。中も大分すいたので、シャワーは1時間から30分に、ブローは40分から15分になった。劇的な変わりようだ。 なのに、この生徒を含めて、ほとんどの生徒が、私が髪を切ったことに気づかないのだ。 それを思い出して、こう言った。「ねえ、私が髪を15cm以上切っても、あなた気づかなかったじゃない。そのちいちゃいシミなんて、30万かけて消しても、多分誰も気づかないよ」 その一言を聞いたとたん、彼女が言った。「解約してきます」
―――よかったよかった。誰が何に大金使うも勝手だけど。その可愛らしいソバカスを消すのにそんなお金と時間をかけるのは馬鹿らし過ぎるわ。
しかし。せっかく髪切ったんだから。気づけよみんな。 ちぇっ。
Nobody gives a damn about me or anybody else (私が髪切っても気づいてもらえないんだから。きっとあなたもそうよ) *Medication / Garbage (1998) の歌詞。
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