Rocking,
Reading, Screaming Bunny
Far more shocking than anything I ever knew. How about you?
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*名前のイニシャル2文字=♂、1文字=♀。
*(vo)=ボーカル、(g)=ギター、(b)=ベース、(drs)=ドラム、(key)=キーボード。
*この日記は嘘は書きませんが、書けないことは山ほどあります。
*文中の英文和訳=全てScreaming Bunny訳。(日記タイトルは日記内容に合わせて訳しています)
*皆さま、ワタクシはScreaming Bunnyを廃業します。
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2008年12月20日(土) |
Forgotten and absorbed into the earth below |
9時半に杏林大学病院で診察の予約。 荻窪駅に向って歩きながら、ささくれだった気分を鎮めるべく、iPodでスマッシング・パンプキンズの'1979'を聴こうとしたら。'Mellon Collie'のアルバムが入っていない。そんな馬鹿な。探しまくるが、ない。聴きたい。今聴きたい。強烈にストレスがつのる。くそ。'1979'の入っていないiPodなんか何の価値があるんだ。 アンプラグト―――あれにも入っていた筈だ。ところが見つからない。かなり焦っていて、3回見直してようやく見つける。 聴く。スタジオ盤と違い、いきなり入るアコギのスチール弦の音にほっとした瞬間、ジミー・チェンバレンのドラムの音が垂直に落ちてきた。うわ、スネアの裏の鳴りがすごい。がっしりと振り下ろしてざらりと鳴る。 自分の鼓動を聞くように、ドラムしか聞こえなくなる。なんて、ひたむきで清潔な音だろう。他の全ての音楽の厭らしさ―――ロックンロールの下心、ブルースの自己陶酔、ソウルの押し付けがましさ、ジャズの気取り、ロックの中の性も愛も全部汚らしいと糾弾するかのように真っ直ぐに叩き下ろす。冷えた体が、一打ちごとに血管を揺さぶられる。 繰り返し聴きながら電車に乗り、ドア際に立って外を見ていたら、不思議な気分になってきた。 実は私は、おととい卵巣腫瘍で開腹手術だと言われた時からずっと、もし死ぬことになっても怖くないなと思っていた。別に死んでもいいや、と。物心つかない子供の頃から死ぬのを怖がって泣いていた私が、いつどうしてそんな心境に変わっていたのか。だが私は、人間が死の恐怖に打克つことは、生きている間の一番の課題だと思っていたから、この気分になれるのなら何よりだ。 だが。電車に乗って外の明るい景色を眺めながら、もしこのまま死ぬんだとしたらと想像した時、かなりの幸福感が湧き上がってきたのだ。はっきりとした嬉しさがあって、涙ぐみそうになった。 ―――なんでだ? 別に私は現在の自分に絶望なんかしていないし、それどころか今も私は、自分がおそろしく幸運で幸福だと思っている。「死にたい」とは思わない。思う理由がない。なのに今、死を想像してみて、これほどの嬉しさを感じるのは何故なんだ? たぶん。ジミーのドラムのせいなんだろう。人は、あんまりにも真っ直ぐなものを目の当たりにしてしまうと、死にたくなったりするんだろう。たぶん。うん。
検査を待つ間も下腹部が痛い。最近はもう毎日痛い。子宮癌検診を受ける。またもあの不快な診察。体が縮こまり息がつまり、医者に質問されてもすぐに声が出ない。機械を入れられたまま、横のスクリーンに映った私の体内を見せられるが、見たくありませんから勝手に判断して下さい。 診察した医者は、「こりゃ手術だね。ハラキリだよ。悪性かどうかはあけてみないとわからないね」と言う。病室予約がいっぱいなので、手術できるのは一番高い個室を選んでも早くて1/25頃。一番安い4人部屋を希望したひにゃ2月末から3月頃になるという。それで手遅れでないのかどうかは、「あけてみないとわからない」のだ。*実は「充実性腫瘍」の8割が悪性であることを、退院後に知った。 採血して、12時前に終了。帰りに吉祥寺駅に向うバスの中で、すでに先ほどの死に対する幸福感がなくなっているのに気づく。
17時にAM(g)と新宿駅で会って押上へ。まずは居酒屋で飲み、18時半にロックバーRock Bottomへ行って、MY(b)のバンドとKP(drs)のバンドのライヴを観る。 最後にうちのバンドがいきなりゲリラ演奏。私はビーフィーターのジン・ロックをがんがん飲んでいてへろへろで、バンドが弾き出すまで何の曲をやるかもわかっていない始末。だが楽しかった。 ひとつ非常に納得がいかないのは、遅刻魔KPが本日一番乗りで来ていたらしいことだ。「どういうことなんですか(怒)」と詰め寄ったが。 実はそんな私は今日、私が遅刻するかどうかに今日のライヴ・チャージを賭けようとAMに言われ、待合せ10分前に到着したのであった。(自分でも驚いた)
今日も早めに、23時帰宅。 (1/16up)
Forgotten and absorbed into the earth below (忘れられ、土に返り) *1979 / Smashing Pumpkins (1995) の歌詞。
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