Rocking, Reading, Screaming Bunny
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Far more shocking than anything I ever knew. How about you?


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*名前のイニシャル2文字=♂、1文字=♀。
*(vo)=ボーカル、(g)=ギター、(b)=ベース、(drs)=ドラム、(key)=キーボード。
*この日記は嘘は書きませんが、書けないことは山ほどあります。
*文中の英文和訳=全てScreaming Bunny訳。(日記タイトルは日記内容に合わせて訳しています)

*皆さま、ワタクシはScreaming Bunnyを廃業します。
 9年続いたサイトの母体は消しました。この日記はサーバーと永久契約しているので残しますが、読むに足らない内容はいくらか削除しました。


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2008年11月10日(月)  Make me hard, make me happy, make me beautiful

3日前にハニー(drs)からメールが来て、色々書いてあるんだけど、その最後に、私に出会えて本当に良かった、私と出会わなかったら今の自分は存在していない、とあった。・・・そんなことを言ってもらえるなんてとても嬉しいけど、それより何だか心配になり、「まだまだこれからも続く関係だからね?」と返信した。
最近ハニーはちょっと精神的に弱り気味なのだ。励まさなくては。そうだ、前のメールで、私の影響でガービッジを好きになったと言っていたから焼いてあげようと思い、今夜CD5枚分を送った。
・・・しかしよく考えたら、弱っている人にガービッジってのはどうなんだろう。

ガービッジは、'95年のデビュー直後にPVで知った。いつもリアルタイムの情報が皆無な私にしては珍しい。思えば最初からシャーリーしか見ていなかった。CDの中ジャケの写真を見て、なんて細い腰だろうと感心した。音も歌詞も目つきも、挑戦的で尖っていた。'Stupid Girl'のPVでは、「職業=女」といわんばかりに見えたが、だんだんと、自分が女であることを嘲笑っているふうにも思えてきた。
世間的には評価の高いらしい2ndを聴いた時、何だこれはと思った。明るくお洒落でポップ、としか取れなかった。前はあんなに硬く突っ張っていた女の子が、すっかり化粧も上手になって、媚のひとつも覚えたように感じた。その良さがわかるまで、随分かかったが。
よくきいていると、2ndの歌詞がどれも、非常に救いがないと思えてきた。それからあっという間にその言葉に飲み込まれた。特に'Medication'に。
Somebody get me out of here
I'm tearing at myself

これはしばらく私の呪文のようになった。

2005年に出た4thを聴いた後で、たまたまネット上の記事でシャーリーの子供時代の話を読んだ。赤毛で緑色の眼であることで常に苛められ、メイクなしで外出できなくなり、暴力的になる一方自傷癖もあり、腕も脚も傷だらけだったという。15歳で学校を中退し、バンドを始めてようやく自分の居場所を見つけたという。これを知って一気にあの歌詞が腑に落ちた。私は、シャーリーが劣等感にとらわれていることなど思いもしなかったのだ。実際は根強い容姿コンプレックスの塊だった。
バンドを始め、ガービッジで成功し、今は幸せになったかのように語ったりもする彼女だが。しかし今でも、例えばライヴ中に客に唾を吐きかけられたといって火がついたように怒り、やった奴を絶対に引きずり出してやると宣言する。普通に考えたら客席からステージまで唾を飛ばせるわけもなく、実際には客が水鉄砲で水をかけたらしいが。そんな判断力も吹っ飛ぶくらいの怒りようだ。
―――まだ今でも、こんなに弱いのだ。

私は何故かシャーリーを冷静に見ていられない。勝手に感情移入して心配している。幸せそうな歌詞や発言があるとほっとする。
結婚しているとだけきいていたから、じゃあ基本的には幸せなんだろうと思っていたが。
今夜何となくシャーリーのことで検索をかけてみたら、彼女が既に離婚していることを知った。おまけに、'98年の時点でまだ自傷癖があったことも。その時自分を傷つけようとした理由が、メンバーが女性について語っているのを聞いてショックを受け、自分を「痩せてないし、魅力的な体じゃない」と思って恥じたというのだ。
―――まだ、駄目なのか。まだ容姿に自信が持てないのか。そう思ったら涙が出てきた。

4thをつくる段階で解散寸前までいき、出した後に一度活動休止宣言をし、2006年頃からシャーリーがソロを出すと言いながらまだ完成していない。
結婚生活も破綻した今、シャーリーが、「ガービッジ」なしでやっていけるんだろうか。

それで私は今夜、海を隔てて遠くにいるシャーリーをまた勝手に心配する。同じようにやはり遠くにいるハニーを。
それから自分自身を。
みんな、強くならなきゃいけない。でもそれまでは、時々誰かに自信を取り戻せるようなことを言ってもらう必要がある。
大丈夫―――三人とも、周りに支えられている筈だ。

Make me hard, make me happy, make me beautiful (私を強くして、幸せにして。私のこと綺麗だって言って)  *Sleep Together / Garbage (1998) の歌詞。



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