Rocking, Reading, Screaming Bunny
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Far more shocking than anything I ever knew. How about you?


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*名前のイニシャル2文字=♂、1文字=♀。
*(vo)=ボーカル、(g)=ギター、(b)=ベース、(drs)=ドラム、(key)=キーボード。
*この日記は嘘は書きませんが、書けないことは山ほどあります。
*文中の英文和訳=全てScreaming Bunny訳。(日記タイトルは日記内容に合わせて訳しています)

*皆さま、ワタクシはScreaming Bunnyを廃業します。
 9年続いたサイトの母体は消しました。この日記はサーバーと永久契約しているので残しますが、読むに足らない内容はいくらか削除しました。


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2007年10月21日(日)  sharp tongue

モームの「人生と文学」の最後のエッセイを読み終えたが。「私の知っている作家」というその文章の中で、ヘンリー・ジェイムズを徹底的にこき下ろしているのにびっくり。人柄も作品もいっしょくたにボロクソにけなしていて、ここまでくると単純にヘンリー・ジェイムズが気の毒になってくる。
しかしヘンリー・ジェイムズの作品って、そんなにひどかったっけ? 思わず本棚から数冊取り出し、その中から「モード・イーヴリン」という短編を読んでみた。これがヘンリー・ジェイムズでは一番後に読んだ作品だが、それでも18年前なので、記憶がほとんどない。
で、再読してみて驚いた。―――面白くない。
何かあり気に書きながら、結局何も言っていないという、つまり私がつい先日この日記に書いた、一番読みたくない小説の代表のような作品であった。記憶にないのも当然か。
実体が何もない。何もないのに登場人物はわけ知り顔でうなずいているような作品だ。言いたいことがあったらはっきり言え・・・と言いかけてはっと気づく。ああ、これこそモームが何度も非難しているヘンリー・ジェイムズの個人的な癖、現実の会話において、一言で核心に触れられることを何とかうがった言葉で言おうと苦心するという癖そのままじゃないか。

つまりモームは正しく本質を言い当てているのであり、であれば余計にヘンリー・ジェイムズが哀れだ。ああ、私はモームの知り合いでなくて良かった。

H. G. ウェルズにいたっては、人柄の描写はともかく、見た目に関しては「醜男」の一言。・・・ああ、「SFの父」とまで呼ばれた人物が。

sharp tongue (毒舌)



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