Rocking,
Reading, Screaming Bunny
Far more shocking than anything I ever knew. How about you?
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*名前のイニシャル2文字=♂、1文字=♀。
*(vo)=ボーカル、(g)=ギター、(b)=ベース、(drs)=ドラム、(key)=キーボード。
*この日記は嘘は書きませんが、書けないことは山ほどあります。
*文中の英文和訳=全てScreaming Bunny訳。(日記タイトルは日記内容に合わせて訳しています)
*皆さま、ワタクシはScreaming Bunnyを廃業します。
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2007年10月05日(金) |
Frederick name of care |
最近ずっと歌ってない。日曜に久々にスタジオに入るんだけど、ちゃんと声出るかな。 ギタリストとの接点を色々あわせてみるだけだけど。今回初めて歌うのが4曲ある。そのうちのひとつがパティ・スミスの'Frederick'。
Hi hello wake from thy sleep God has given your soul to keep
'Frederick'とは、パティの夫でMC5のギタリストだったフレッドのことだ。1980年にパティと結婚。1994年に心不全で死亡。 見るからにアット・ザ・ドライヴインに影響を与えたと思われる、ヒステリックなほど攻撃的なMC5において、リズム・ギターのフレッド"ソニック"スミスだけは一人抑えた雰囲気だ。フレデリックというきれいな名前が似合う。
アルバム'Wave'が出たのは1979年。パティはその1曲目のタイトルに、愛するひとの名前をつけた。そしてその名前、そのひとに対する愛を、聞いていて呆気にとられるくらい真正面から語った。'Wave'以前の3枚のアルバムでは男らしい凛とした姿でジャケットにおさまっていたパティが、'Wave'ではお嬢さんぽいワンピース姿で、その豹変ぶりは見ていて照れくさくなる。だがそんなことはどうでもいい。 私は、この歌を聴いては、しょっちゅう泣いている。
Frederick name of care Fast asleep in a room somewhere
私が泣くのは、フレッドが既に死んでいるからではなく、逆に、この時フレッドが生きていたからだ。 まだこの時、愛は始まったばかりの筈だ。まだ何もわからなかった筈だ。なのにパティは、今までの自分を全部捨てんばかりの勢いで、世界中に向かって恥ずかしげも後悔もなく、あけっぴろげに「愛している」と言っている。 歌詞に、直接的な'I love you'の表現はない。そんな対等ささえないのだ。天使を賛美するように高らかに、この愛への驚きと畏敬の念を歌い上げている。 ああ。いいなあ。 パティがあまりにもまっすぐに歌うので、自分がフレッドに恋をしているような気分になる。女が歌うラヴソングで、そんな風に飲み込まれることは他にはない。
彼女は彼の名前を愛しているから、それを曲のタイトルにした。心理学では、ひとは名前のないものは愛せない。だから名前を愛するというのは、愛のあらわれに他ならない。 彼らの結婚生活がどうだったのかなんて全く知らないが。きっと彼は、彼女に愛されて幸せだっただろう。いや、多分それ以上に、彼女は彼を愛して幸せだっただろう。
Bye bye hey hey, maybe we will come back some day now But tonight on the wings of a dove, up above to the land of love
Frederick name of care (フレデリック 慈しみたくなる名前) *Frederick / Patti Smigh (1979) の歌詞。
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