Rocking,
Reading, Screaming Bunny
Far more shocking than anything I ever knew. How about you?
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2006年10月05日(木) |
Watch out now, take care. Beware of the thoughts that linger |
夕べは久しぶりにバングラデッシュの'Beware Of Darkness'で涙してしまったから。やはりDVDが欲しいなあと思う。見たことはあるが、持ってはいないのだ。結構値が張るけど、見たいのはレオン・ラッセルの演奏だけだし。 そこでふと、YouTube検索を思いたつ。やってみて驚いたことに、何とDVD1枚分まるまる(Part1からPart9に区切って)アップされていた。・・・ここまで来ると、有難いと同時に後ろめたいなあ。と思いつつ、全部ダウンロードする。
早速、'Beware Of Darkness'を見る。そして不思議なことに気づく。この演奏に限っては、音だけの方が、感動が大きい。 或いは私があまりにも長い間、あの音に浸りすぎたのか。 そしてもうひとつ。ジョージ・ハリスンの歌が、心にしみる。
私はずっと、美しいもの、圧倒的なもの、熱に浮かされたもの、引きずられるようなものが好きで。 レオン・ラッセルの2ndで、'Beware Of Darkness'を聴いた時、これがある意味、私の一生を決定した。ひとはよく、「〜の曲が俺の人生を狂わせた」などと気軽に口走るが。傲慢を承知で言うが、ふざけるなと思う。そう言う人間が何を犠牲にしたと言うんだ。 私は、はっきりと「まともな人生」を手放した。明日が見えないのが普通になった。 不思議だ。これは警告の歌なのに。 この曲を聴くたびに泣いた。レオン・ラッセルの提示しているものの恐ろしさ、併せ持つ美学の引力、それに引きずられる自分の哀れさ、引きずられて降りてしまうことのぞっとするほどの快さに。 鬼才とは、こういうひとを言うのだと思った。
だから、初めてジョージ・ハリスンのオリジナルを聴いた時は拍子抜けした。これはひんやりしたシルクだ。光沢があってきれいだが、ひとの人生を動かすような重みは持たない。何て弱っちいんだろう。
バングラデッシュのバージョンでは、そのふたつが奇跡のように寄り添う。全体はジョージの雰囲気が支配しているが、そこにレオンが、いわば暴力的なほどに圧倒的な才能と力を示してくる。そしたらジョージが、軽く哀しげにあえぐのだ。 この、迫害された哀しさに震えるような声、この声の美しさにようやく今頃気づいた。
何だか今初めて、ジョージ・ハリスンというひとが死んだことを、心から悲しいと思った気がする。
まっすぐなひとだったんだろう。だから皆に愛された。 あなたが、もう何も恐れず、何も警戒(watch out)しなくていいことを、神に祈ろう。
Watch out now, take care. Beware of the thoughts that linger (気をつけて。頭の中にこびりついている考えに) *Beware Of Darkness / Leon Russell(1971) / George Harrison(1970)の歌詞。
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