Rocking, Reading, Screaming Bunny
Rocking, Reading, Screaming Bunny
Far more shocking than anything I ever knew. How about you?


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*名前のイニシャル2文字=♂、1文字=♀。
*(vo)=ボーカル、(g)=ギター、(b)=ベース、(drs)=ドラム、(key)=キーボード。
*この日記は嘘は書きませんが、書けないことは山ほどあります。
*文中の英文和訳=全てScreaming Bunny訳。(日記タイトルは日記内容に合わせて訳しています)

*皆さま、ワタクシはScreaming Bunnyを廃業します。
 9年続いたサイトの母体は消しました。この日記はサーバーと永久契約しているので残しますが、読むに足らない内容はいくらか削除しました。


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2004年12月28日(火)  The End

MATTさん(vo,g)初来店。私がショット・バー勤めをしていることをつい最近知ったらしい。お住まいは横浜だが、わざわざいらしてくれてボトルを入れてくださった。MATTさんはBLACK AND BLUEのマスターの20年来の親友で、バンド仲間でもある。
と、すぐにmarikoさん・青野さんがご来店。marikoさんはBLACK AND BLUEのマスターの元の仕事仲間だから、MATTさんをご紹介する。お互いネット上で名前は見かけていたようだ。
マスターが生きていたら、今ここにMATTさんとmarikoさんが揃うことなんかなかったんだろうと思うと、不思議な感慨がある。

MATTさんは開店から閉店までいてくださった。最後は「レッチリを聴きましょう。僕はジョン・フルシャンテが大好きなんです。 Can't Stop をかけてください」なんて、他人のセリフとは思えないようなことをおっしゃったので、 By The Way 及び2002年幕張のブートをおかけした。

BLACK AND BLUEのマスターの、死亡診断書を見せられた。マスター自身が書いた文章も。私に見せる為に持ってきたという。
死亡診断書に死因が書いてあって、そこに「(伝聞)」とあった。伝聞。
マスターは、午前3時に独りで死んだ。翌朝、他人に発見された。私が最初にそのことを知った時、彼が真っ暗で寂しい場所で独りぼっちでいる姿を思ってぞっとした。
伝聞、か。

「Bunnyさんとの出会いは、彼にとってどんなに衝撃的なことだったか」とMATTさんが言う。「大学の頃から話していたんですよ、俺たちの好きなロックを理解してくれる女性は現れるのかな、って」
ええ。ええ、私もよ。私も、ローラ・ニーロの'Eli And The Thirteenth Confession'を「棺桶に入れたい1枚」と言う男性には初めて出会ったの。

2003年3月15日、ストーンズを見た帰りに、哲と初めてBLACK AND BLUEに寄った。私が女性アーティストではローラ・ニーロが一番好きだと言ったら、マスターが驚いていた。ベストアルバムは何といってもイーライだと言った。そしたら1枚まるまる全部かかった。哲はローラ・ニーロを聴かない。だから早く帰ろうと言われたが、私は言うことをきかず、最後まで聴いた。その時から、彼氏と行こうが誰と行こうが、BLACK AND BLUEにいる間は、私とマスターのかける音楽とが優先で、誰も入り込めなくなった。
それからずっと、私とつきあう男は皆、私が泣く音楽に無関心だった。私はかまわず一人で泣いてた。カウンターの後ろのどこか見えないところにマスターがいて、私の好きな音楽を次々にかけていた。
私はいつも、二人きりでいても、殆どマスターとは会話をしなかった。彼が音楽をかけて、私が聴いていた。何時間でもそうしていた。

私にとって、彼とあの店と音楽は全部一体だった。大事に思ってた。まだまだずっと、いつまでも、そこで待っててくれるものと思ってた。

私が今ショット・バー勤めなんかしているのは、紛れもなくマスターの影響が大きい。なのにその彼はもういない。
一人でオレンジ色の薄暗い店内にいる時、彼が私に残したCDを聴く時、何度か泣いた。
嫌われているのかと思っていたが、そうじゃなかったんだと色んな人が言う。亡くなった後で言う。
今となってはもう確かめようがない。彼はもう死んでるのよ。
たちが悪いわ。もういないのよ。

この話が終わらない。いつまでも尾をひく。
それで私は時々、虚空に呼びかける。そこにいるの?
そこにいるなら出て来て。姿を見せて、これを終わらせて。
畜生。誰か。これを終わらせて。



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