Rocking, Reading, Screaming Bunny
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Far more shocking than anything I ever knew. How about you?


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*名前のイニシャル2文字=♂、1文字=♀。
*(vo)=ボーカル、(g)=ギター、(b)=ベース、(drs)=ドラム、(key)=キーボード。
*この日記は嘘は書きませんが、書けないことは山ほどあります。
*文中の英文和訳=全てScreaming Bunny訳。(日記タイトルは日記内容に合わせて訳しています)

*皆さま、ワタクシはScreaming Bunnyを廃業します。
 9年続いたサイトの母体は消しました。この日記はサーバーと永久契約しているので残しますが、読むに足らない内容はいくらか削除しました。


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2002年11月30日(土)  Brown Sugar / The Rolling Stones

午前中はこの日記のアップに3時間もかける。ネットカフェのPCが異常に重かったのだ。とうとう諦めて途中で投げ出す。

ポートベローのマーケットへ。ポートベロー・ロードをえんえんと何キロも続くマーケットで、とにかく最後まで歩こうと思ったのだが、泣きが入ってきた辺りで標識を見たらまだ5/7だったので、諦めて引き返す。

途中チャイニーズ・フードを買って、歩きながら食べる。ロンドンのストールでチャイニーズ、ジャパニーズ、ベトナミーズと言って売っているのは全部同じもので、カレーや酢豚のような各種の煮込み物をタイ米(フライドもあり)か焼きそばにかけてくれる。これがもう、やたらと美味しい。結構な量なのだが、美味いので食べてしまう。大変やばい・・・

食後にカフェでコーヒーを買って飲む。ロンドンで「コーヒー」と頼むと、エスプレッソをお湯で薄めたものを出してくる。不味い。

引き返す途中で探していた物を見つけた。フラスクだ。ストールのお兄さんはお釣りの小銭が足りないから売れないと言う。本当にどこまで労働意欲がないんだか。たまたま別の客が細かいので払ったので、買うことが出来た。2個買って、大きいほうが哲にお土産、小さい方が自分用。ジンを入れて持ち歩くことに。

急いでホテルに戻り、シャワーを浴びて着替える。髪を乾かしていたら、備え付けのドライヤーが壊れた。フロントの男性に言ったところ、うるさそうにした挙句、しまいには"Just a hair-dryer blew up, so what?"と言いやがったので口論に。(実際口にこそ出さないが、"hair-dryer"という単語の前に明らかに"fuckin'"という単語が見えていた) しかしまあ最後には彼の頭も冷えたらしく、自発的に謝って、態度が悪かったことを認めた。


口論に勝って、ふと見ると17時。・・・17時! コンサート17時半からなのに! すっかり態度を改めたフロントがシェパード・ブッシュへの行き方などを教えてくれる。結局タクシーでシェパード・ブッシュ・エンパイアに乗りつける。
・・・結局会場が開いたのが18時、コンサートが始まったのが19時だった。ここがロンドンだってこと忘れてたよ。
ところでコンサートはユーライア・ヒープエイジアであった。Time Outの紹介文には"Rock Dinosaurs"と書かれていた。言い得て妙。
客はさすがに40代〜50代が中心。子供連れも多い。小学生くらいの女の子がクリムゾンを歌っていた。まあ感動的だこと。
私は3階席のチケットを買ったのだが、ある家族連れが何故か私を列の前に入れてくれたので、おかげで一番前に座れた。前の手摺の幅が広く、皆そこに腕を乗せてもたれてくつろぐ。ピンク・フロイドが流れている。
後ろのバーでジンを買う。隣に座っていた男性が何を飲んでいるのか聞くのでジンだと答えたら、しばらくしてから戻ってきて、自分もジンを買ったのに君の半分しか入れてもらえなかったとこぼす。バーに一緒に来て抗議してくれと言うので、嫌だよと笑う。彼の奥さんらしき人が、あとで何故か私にジンをもう一杯買ってくれた。本当にさっきの半分しか入っていない。"You see?"と彼が言う。
ライブが始まる。ロックとブーズ、最高の組み合わせ。何て幸せ。
私にとってのハイライトは、エイジアのジェフリー・ドーンズのソロであった。元バグルスの彼は、"Do you remember this song?"と言って「ラジオスターの悲劇」を弾き始めたのだ。客が"Video Killed The Radio Star"と声を合わせて歌うやわらかい歌声が、会場の天井にきれいにこだましていた。

チューブでコベント・ガーデンへ行き、ロック・ガーデン(ガーデニング・クラブ)という店へ。ここは毎週土曜がクラシック・ロック・ナイトで、題して'Brown Sugar'と言うのだ。これは行かなくては。霧雨の中1時間も並んだ挙句、ここが単なる70年代ディスコをかけるクラブに過ぎないことを知る。
とにかく、それでも踊った。15分おきに違う男が視界に入ってきて(踊っている時の私の視界は大変狭い。ほぼ下向いてるし、目も閉じてたりする)邪魔する。ディスコって行かないけど、皆こうなのかな。邪魔邪魔!! 酒買ってくれるのだけは歓迎するけど。

3時頃にもう我慢出来なくなって、黒人のDJに可愛らしく話しかけてみる。ねえねえ、ストーンズかけないの? だってこれ、"Brown Sugar Night"なんでしょ?
10分後。かかった!!!! まさしく"Brown Sugar"が!!! 大喜びでフロアのど真ん中へ。どいてどいて! ああもう、邪魔しないで!! 今大変なのよ、見りゃわかるでしょうが。続いて"Harlem Shaffle"がかかる。やったわ。ロンドン制覇!!

4時閉店。外に出て駅前の電話ボックスに入り、酔った勢いで公衆電話にクレジット・カード突っ込んで、哲に1時間電話してしまう。・・・この電話代がいくらかかったのか、実はもうきっちり計算できているのだが、理解したくない。イギリスの公衆電話から日本の固定電話まで1分190円。更に私がかけたのは携帯なので、その3倍かかる。・・・計算したくない。したけど信じたくない。きっとどこかで何かが間違っているはず。間違っているのは私の生活態度かな。うーん。

日曜の朝は駅が遅くまで開かないことをすっかり忘れて、レスター・スクエアの駅まで歩いて行った。もうすぐ開くものだと思い紅茶とフィッシュ&チップスを買って、食べながらチューブの入り口が開くのを待ってた。寒い。

カリビアンぽい男性が話しかけてくる。それ、美味しい? どこから来たの? 話してもいい?
かなり邪険にしていたら、そのうち離れていった。

チューブの入口前、私の横でホームレスの老人が凍えてる。私はホームレスにはお金をあげない。あげた瞬間に自分も相手もダメになっていくような気がする。このフィッシュ&チップス半分あげたら喜ぶかな? 嫌がるかな?
さっき私に話しかけた男は私と同じ店で食べ物を買っていたが、ホームレスがすぐそばにいるのに気づき、食べ物を買えと言ってコインを差し出すが、老人は頑として受け取らない。とうとう老人は店の窓口にやってきて、自分のコインを1枚出してピザを一切れ買った。そして私の隣に戻って来て、大事そうに両手で囲むようにして食べ始めた。
私は躊躇してたフィッシュ&チップスをさっさと食べ終え、老人に話しかけた。"Sir, do you usually put some sugar in your tea?" 老人はイエスと答える。"How many?" "Two."
売店に戻り紅茶を買い、砂糖を2個入れてもらう。老人に渡して言う。"Sir, here is your tea." 驚いたことに、彼はにっこり笑って受け取り、"Thank you"と言った。私は寒いのが何より辛い。この氷みたいな空気の中で、老人が少しでも温まると思うと心が楽になる。彼が紅茶を受け取ってくれた瞬間、紛れもなくこちらが何かしてもらった気分になった。多分本当にそうなんだろう。食事する時には何か飲み物がなきゃね、と言ったら、"Of course."とこたえてまた笑った。

老人に話しかける少し前に、タクシードライバーが近づいてきて、何回かタクシーを勧めた。断ると、今日は日曜だから駅が7時まで開かないのを知ってるかと言う。7時!!
やはりチューブ入口前で寝ていたスペイン人観光客のカップルを叩き起こす。駅は7時まで開かないよ、と言い、うろたえる彼らをバス停まで案内する。
タクシードライバーがまたやって来る。どこへ帰るの? バスに乗るの? 何番のバスだかわかってるの? そのしつこさにかなり苛ついたので、相当きつい声で、ええわかってる、N37だよ!と言う。ああそれなら向こうの方にバス停がある。連れていってあげよう。あら、いい人じゃん。
それからトラファルガー・スクエア近くまでの道のり、彼はえんえんと戯言を言い続けた。曰く東京に帰る飛行機をキャンセルして、結婚してずっと一緒に暮らそう、お金なら僕が稼ぐから云々。OKして、どう出るのか見てやりゃ良かったな。
ピカデリー・サーカスまで歩く。途中出会った、マナー・ハウスまで帰りたいというフランス人の男の子二人を連れて。着いたら駅が開いていた。助かった。
寒さのあまりコーヒーを飲みに寄って、ホテルに帰ったのは8時。ジンと熱い紅茶を飲み、そのまま気を失う。



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