遠くにみえるあの花火に
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2006年09月02日(土) 光と闇の対称(プラド美術館展へいく)

大阪市立美術館で開催されているプラド美術館展へいく。
16世紀〜18世紀にかけてのスペインで活躍した巨匠たちの作品が数多くおさめられたプラド美術館。
エル・グレコやルーベンスなどの絵を興味深く眺める。
宗教画や肖像画が主だったのだけど、その顔の表情のひとつひとつ、衣装のひとつひとつが興味深かった。

特におもしろいなーと思ったのは、「ボデゴン」と呼ばれる静物画で、
一般的な静物画と違って、独特の神秘的な雰囲気を漂わせているものが多く、
どこまでもリアルに描かれた植物や果物、花器などが
深い闇を思わせる黒い背景の中から美しく浮かび上がっているその姿は、
静物画であるのに、どこか宗教画のような神聖さを感じさせる。

そして面白かったのが、絵を見終わった最後に、絵葉書や図録を売っている場所が
お決まりとしてあったのだけれど、そこに、
メレンデスという人の描いたボデゴンの中のパンが、再現されて売られていたこと。
あれは何パンだろう。フランスパンのような、ミルクパンのような。一個800円もしていた。
京都の美術館だったら絶対ないだろうなーと思うだけに、大阪人の商売人魂にあっぱれを送りたい。

でもまぁ確かに、その静物画に描かれていたパンと葡萄と陶磁器でできた水差しは
私が今までみた静物画の中で、一番リアルかもしれないと思うくらいリアルで、
葡萄の、表面が白くけぶる感じや、陶磁器のつるっとしていてすこし厚みのある感じ、
いまにも触ることができそうなそれらは、写真以上にリアルに、こちらに訴えかけるものがあったから、
再現してみようという試みも、頷けるのだけど。(でも一個800円はないよな)

パンのまわりには描かれていたのと同じような水差しや葡萄のレプリカが置かれていて、
そのパンを買って食べてみたい衝動にかられたけれど、これからお昼を食べにいくところだったので
ぐっと我慢をする。

お昼はそのまま天王寺のアフタヌーンティーでランチセットを食べる。
土曜日だったけれど、ランチセットがあったので嬉しい。
そして久しぶりにゆっくりと、温かいミルクティーを飲んだ。
温かいミルクティーがおいしい、飲みたい、と思うような季節になってきたんだなぁと
しみじみ嬉しく思う。
両手でカップを持って、まずは香りをいっぱい吸い込んで、それから飲む。


その後、梅田へ戻ってお買い物。
トゥモローランドでダークグレーの服を買う。

最近は積極的に男の子色(とヨガの先生に言われた)の服を買っている。
昔から暖色よりも寒色、ビビッドな色よりも基本色を好んでいたけれど、
最近はそのことを自分自身で肯定して、積極的にそういう色の服を買っている。

そうすることに、特に深い理由はないのだけれど、
周りの意見や好みに流されずに、自分の好みを(服装においてくらい)貫いてもいいような、
貫いたほうが格好いいような、そんな気がしてきたから。

黒、白、茶、ベージュ、紺、グレーなどなど。
好きなんだからしょうがないよね。

ダークグレーのV字ニット(Vの片方に小さなボタンがついている)のほかに
紫紺のカーディガンも買おうかと悩む。
(でもこのカーディガン、肩のところが微妙に丸くなっていたのでやめる)


トゥモローランドの水色の紙袋をもって歩いていると、
なんとなくうきうきした気分になる。
買い物をした後っていつもそうだけど、好きな服屋の好きな紙袋を持っていると
それだけでかなり満足してしまう。

秋の服なので、まだしばらくは着れないけれど、
新しい服がきちんとたたまれたまま待っているかと思うと
とてもうれしく、早く秋がこないかなーと、思うのでした。



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