LOTUS BLOOM 通信(英語・翻訳学習編)<2007年4月6日〜>
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2005年03月08日(火) 「専門医」を探せ

入社して初めて担当したと言える調査の集計結果があがってきた。あるガンの化学療法、いわゆる抗がん剤の使用実態についての調査。クロス集計だと、単純集計ではわからなかった傾向が見えてくる。

驚いたのは、「専門医」と「非専門医」の間にはっきりとした差が見られたこと。「もっとも多く使用している治療方法は何ですか?」という問いに対して、「専門医」の回答が一番多かった選択肢、「非専門医」からの回答はゼロだった。で、「非専門医」の回答が多かったのは、一昔前に「標準」とされた治療法。

患者さんの重症度を3段階に分けて、それぞれについて訊いているから、「専門医のところに症状の重い患者さんが集っている」という仮説は成り立たない。

実際の薬剤の使いかたも、「非専門医」では「専門医」よりも処方量が少なく、治療期間も短い傾向が、かなりはっきり読み取れる。

数表を見ているだけなら「面白い結果だなあ」ですむけれど、実際は命に関わること。う〜ん、どう考えたらいいんだろう?

上司に訊いてみた。
「それが実態なんですよ。患者さんが少なくて慣れてない先生は、ガイドラインで『標準』とされている治療を一通りやってます、って、そんな感じななんじゃないかなあ。それは製薬会社の怠慢でもあるんだけどね。それでもウチのパネルに登録している先生方は、自分から情報を入手しようという意欲のある、情報感度が比較的高い部類に入る先生方だと考えられるから、実際は間違っているとは言わないまでも、最善ではない治療がされているケースは、かなり多いんだろうね。」

取締役に訊いてみた。
「まあ、そんなもんでしょう。ボクとしては驚きはない、って感じかな。クスリって難しいから、勉強している先生とそうでない先生とでどうしても差が出てきちゃうんだよ。」

業界というか、この領域に精通している2人がそう言うのなら、これを現実として受け止めるしかないんだろうなあ……

2人がクチをそろえて言っていたのは
「もしもの場合、絶対に『専門医』を受診しないとダメだよ。」

患者側もしっかり情報収集することが必要、ってことですね。


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