「Library L」雑記帳
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2006年07月24日(月) さわりをちょこっとだけ

えっと、ラルク&S.O.A.P.メンバー総出演の例の法廷モノ・パラレル小説なんですが。
思ったより難航してると言いますか・・・ホントにもう恐ろしく長いお話になりそうで怖いです。
まあ、ここ半年ほど小説書きはまったくやってなかったので、勘がつかめてないだけだと思いますが(むしろそう思いたい/笑)、
やっぱりせっかくのメンバー総出演ともなれば、全員それなりに喋らせてあげたいじゃないですか。
そんなことを考えながらプロットを作ってみたら、まったく収拾がつかなくなってしまい・・・
勉強の合間にちょっとずつ書いてるせいもあって、書いても書いても話が全然先に進みません。う〜ん、困った。
でもまあ、とりあえずさわりのところだけアップしてみます。これだけじゃ訳分からんと思いますが・・・一応客寄せのつもり(笑)








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 「それでは、被告人、前へ。」
 低く厳かな声で、黒い法服に身を包んだ裁判官が告げる。
 一段高い場所に座したその佇まいは、いつもと変わらず絵に描いたような清廉ぶりで。
 俺は、(ゆっきーってば、相変わらずサマになってるやん。)と心の中でつぶやいた。
 この地裁で判事の職についている彼は、俺の大学時代のサークル仲間だった。
 当時、俺は軽音のサークルでギターを弾いていて、彼はドラムを叩いていて。
 もっとも、サークル内ではそれぞれ別々のバンドを組んでたから、一緒に演ったことは一度しかない。俺のバンドのドラムのヤツがライブ当日に高熱を出して、急遽ゆっきーに代役を頼んだ、その一回だけ。その時も、曲の構成とか入りのタイミングとか、そういう事務的な話をしただけだったと思う。
 学部も、彼は法学部、俺は理工学部だったから、学生時代は接点と呼べるようなものがほとんどなく、まともに喋ったのも数えるほど(ゆっきーは、下戸やから言うて、サークルの飲み会には一回も出席せんかったしな)。
 俺とゆっきーが親友と呼べるような間柄になったのは、もっとずっと後のことである。
 当時、パンク色の強い彼のドラムはアマチュアとしてはかなりのレベルに達していて、学外での評価も高く、メジャーデビューを目前に控えた某インディーズ・バンドから「ぜひ加入して欲しい」と声がかかった程だった。
 周囲は「ついに学生ドラマーの誕生か?!」と色めきたったが、彼は、「音楽はあくまで趣味ですから」と実に素っ気無い態度でそのオファーを蹴り、かねてからの希望通り法曹の道を選んだのだった。
 そして、大学在学中に司法試験を突破、卒業後まもなく司法修習所に入り、二年の修習を経て地裁の裁判官となった。
 実際、年は同じでも、2年間のサラリーマン生活を経てから法律の勉強を始め弁護士となった俺とでは、法曹としてのキャリアは月とスッポン、まさに大先輩と言ってもいい存在だ。
 その彼が判決文を手にした瞬間、ちらっとこちらを見た視線の中にわずかな笑いが含まれているのを見てとった俺は、内心(よっしゃあ!)とガッツポーズをとった。
 俺が弁護を引き受けた今回の被告人は、若い20代の女性だった。夜道で痴漢に襲われて気が動転し、持っていた傘を無我夢中で突き出したら、運悪く痴漢の喉元にそれが命中して死んでしまったというもの。普通なら当然正当防衛が成立するところだが、被告人に剣道の心得がありインターハイにまで出場していた経歴があったことで、検察側は「過剰防衛もしくは誤想過剰防衛に当たる」として起訴してきたのだった。子供の頃から剣道をやっていたのなら、通常とは異なり傘もまた十分凶器となりうるし、通常の同年代の女性に比べて格段に胆力が備わっていたはず、よって痴漢を叩きのめす故意をもって攻撃をした可能性が高く、これに正当防衛を認めては云々かんぬん・・・とまあ、公判初日の冒頭陳述ではだいたいそんなことを言っていた。
 確かに、被告人の彼女はその痴漢野郎より背は10センチ以上高いし、結構ガタイもいいし見るからに強そうだし(ちなみ俺の方が華奢かも知れへん)、検察の連中がそういう偏見を持っても仕方ないかも知れないけど。俺が接見の時に受けた印象では、根はとても優しい、穏やかな感じの人だった。とてもじゃないが、正当防衛に名を借りて不埒な輩をぶちのめすなんてことができそうにはとても思えなかった(俺が女に甘い言うのを差し引いてもそうやと思う)。
 なので、俺は、あえて彼女の家族とか友人とかに証言を頼んで、そういう彼女の性格面を前面に押し出し・・・一方、現場の証拠のいくつかを専門家の証言で丹念に崩していき、こうして今日、判決の日を迎えたのだった。
 正当防衛が認められれば無罪、認められなければ殺人犯(まあ、過剰防衛なら刑そのものは軽くなるけどな)と、ある意味天国と地獄のような結果になるわけで。
 で、弁護士の報酬だって、無罪の方が格段にいいわけだから、当然熱も入る・・・でも、さっきゆっきーの目が笑ってたってことは多分・・・・・・
 俺がそんなことを考える間もなく、ゆっきーの淡々とした声が厳かに審理の間に響き渡った。
 「主文。被告人は・・・・・・・無罪とする。」
 判決が言い渡された途端、被告人の彼女は緊張の糸が切れたように、わっと泣き崩れた。傍聴席にいた彼女の両親もまた、感極まった様子で涙を流しながら互いに手を取り合い、娘の無罪判決を喜んでいた。
 彼らは俺に向かって深々と頭を下げ、
 「起訴されたときはどうなることかと思いましたが、何もかも先生のおかげです。どれほど感謝しても感謝しきれない・・・本当に本当に有難うございました」
 と何度も何度も感謝の言葉を繰り返した。俺は手を軽く振って「いえいえ、そんな・・・」などと言葉を返したけれど、その目の隅では、俺に向けられた憎悪の塊りのような鋭い視線を捉えていた。
 それは、彼女に殺された被害者(つまり痴漢野郎やな)の両親のもので・・・彼らにとって俺は、最愛の息子を殺した人間をこともあろうに無罪にした張本人であり、憎んでも憎みきれない相手、ということになるのだろう。
 実のところ、彼女が無罪になったのは検察官の立証が不十分だったからで、別に弁護人の俺が被害者の遺族から憎まれる筋合いではないと思うのだが、人間の感情というのはとかく不条理に働くもの、弁護士としてこういういわれなき憎悪(少なくとも俺にとっては)を向けられることには慣れている。
 とはいえ、他人から悪感情を浴びせられるのは当然いい気分はしないので、俺は早々にこの場から退散しようと、机上の書類をおもむろに片付け始めたのだが・・・・・・
 今度は別の視線を感じて、はっと頭をめぐらした。
 「・・・・・・」
 その視線はやはり傍聴席からのもので、まさか彼が来てるとは思ってなかった俺はちょっとびっくりしたけれど。それでもいつも通りの余裕の表情を作って、最後列の端に座っていた黒いスーツ姿の男に口の端で笑ってみせた。
 (どうや、さくら、ざっとこんなもんやで。)
 そんな俺の心のつぶやきが届いたのか、黒スーツの男・・・さくらは苦笑を浮かべ、がたんと立ち上がった。
 そしてそのまま、俺のいる弁護人席の方ではなく、向かいの検察官席に歩いていくと、さっきまで俺と対峙していた若い検事に向かって、「残念だったな。」と声をかけた。
 「櫻澤先輩・・・・・・」
 「馬鹿、なんてツラしてんだよ。ったく、この世の終わりみたいに・・・」
 「で、でも・・・!!」
 どこか学生臭さが抜けきらない若い検事は、確かに泣き出しそうなくらい情けない顔をしていた。まあ、無罪判決なんてエリート検察官にとっちゃ恥もいいトコなんやろけどな。
 さくらは、そんな後輩に皮肉っぽい笑いを返して、「ま、相手が悪かったってこった。」と続けた。
 「北村弁護士って言やあ、刑事じゃほとんど負けなしだからな。仕方ねえよ。ほら、ぐずぐずしてねェで、さっさと引き上げるぜ。」
 「は、はい・・・」
 あわてて資料を片付け始めた後輩を一瞥したさくらは、すっと俺の方に視線を移して、軽くウィンクしてきた。







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ま、いつも通りというか、こんな感じです、はい(笑)

一つ困ったなと思うのが、リーダー・てつの描き方。
私の中では、彼の人物像はほぼ固まってるんですが、多分それって一般のファンが抱いてる「てつ」像と微妙にずれてると思うんですよ。
本当は「リーダー・てつの憂鬱の構造 〜”苦手なてつ”の論理的克服法」というエッセイを書いた上で、
この小説を披露したかったんですが・・・さてさてどうしたものか。
そのエッセイの内容も小説の中に盛り込むとなると、話の重心がけんちゃんとてつの関係に移っちゃうしなあ・・・う〜ん。
この辺はもうちょっと考えなきゃダメですね。はあ。






話は変わって・・・リアルなけんちゃんは何と「音楽戦士」に出演するんですね。
まさかトークだけってことはないと思うので、当然歌うんでしょうが・・・だ、大丈夫なのか?!(笑)
ゆっきーの時は口パクだったらしいですが、けんちゃんはそうゆうのやらなさそうですしねえ。
嗚呼心配だわ心配だわ。けんちゃん、音程外さずに歌えるかしら。どきどき(←いい加減、失礼です)
あ、音楽戦士のサイトで「ゲストにやってほしいこと」その他諸々のメールを募集してたので、一応出しておきました。
読まれる確率は限りなく0に近いと思いますが、メールがたくさん来ていること自体が重要だと思ったので。
こんなこと考えちゃうなんて、やっぱり私ってけんちゃんが好きなのねえ、としみじみ思いましたです、はい(笑)


ではでは。また。




水城 |MAILSITEINDEXbacknext

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