2003年11月05日(水) |
「もう、死にたい」と考えている人に。 |
「人は死ぬ時、どんな事を思い、考えるんだろう。」
2〜3日前の朝の番組で現在の自殺者数の統計が発表されていました。 その数は、私の記憶が正しければ 現在、3万人以上、10年前に比べ、14倍以上の数字。 その半数が40〜50代、自殺の理由は生活苦。
病院では毎日の様に、人が死んでいきます。 何度も、何度も 人の悲しみ、心の痛み、苦しみ、命のはかなさを 私の心は感じました。
死を間近にした人は、現実には存在しないものをみます。 「あそこに、光がある。」 「桜がとっても、きれいで。」 「今、子供がたくさん、来たから。」 色々な事を話します。
もうすぐ、この世に別れを告げなければならない人に、 私はいつでも、声をかけられます。 そして、ただ、ただ、話しをするんです。 今までの人生を振り返りながら。 殆どが、家族や近親者への感謝と これまで、言いたくても言えなかった事。 そして、自分の人生での後悔と、死の恐怖。 時に、人への恨みを語る人もいます。
私はただ黙って、うなずきながら、その話を聞くだけ。 傾聴するんです。心を傾けながら、聴く。 私ができるのは、それだけ。
今、頭の中に思い出すのは、ある患者さん。 70代、女性。おしゃれで、わがままで、人の好き嫌いが激しく どんなに具合が悪くても、嫌いな人には何も頼まない強い人。
その日は勤務が深夜にまで及び、 私は、とにかく早く家に帰りたかった。 私の頭の中は自分の事だけで、一杯だった。 その時の私は、ユタでもなく、ただの人だった。
「この人、この人に今日は側にいてもらいたい。 どうしても、一緒にいて欲しい。」
「あんたは、仏様に一番近い人だから。」
そう言って 手を離そうとしない患者さんを説得して、家路へ。
明け方、その人は亡くなりました。
私は彼女の心の声を聴いてあげれなかった。 少しの時間でよかったのに。 それが、できなかった。 私の中で、大きな後悔となりました。 自分で自分を何度も、何度も、責めました。
「あの時、こうすれば良かった。」 人は毎日の生活の中で、 常に物事や出来事を選択して生きています。 「右に行こうか、左にしようか、」 運命はその選択によって、 変化すると言っても過言ではないでしょう。
あの時、私は人の心の声を聴く事ができなかった。 その後悔が、今の私を創っているのかもしれません。
貴方が「もう、死にたい。」と真剣に思うとき、 どうか、私を思い出して欲しい。
私は貴方を救う事はできません。 けれど、 貴方に大切な何かのきっかけを与える事はできます。
お願いだから、そんなに悩まないで。 そんなに苦しまないで。 そんなに自分をいじめないで。
「自分を変えるのも、自分を救うのも、自分なのですよ。」
今日、2回目の日記。 今の私から泣いていた私への日記。 そして、 今、泣いている貴方の心への日記。 「どうか、貴方が何かのきっかけを得る事ができますように。」
「どうか、生きている全ての魂が幸せを掴み取る事ができますように。」
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