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2004年09月27日(月) 時代は繰り返す

なんか大げさなタイトルで気が引けますね。
ちょっと皆さんも考えてみてください。

例えば音楽。カバー曲、すごく多いですよね。
例えばテレビ。古いドラマのリメイク、結構ありますよね。
例えばファッション。古着業界、ものすごい賑わいですよね。
例えばインテリア。20世紀中頃の椅子なんて、高値で売買されてますよね。

ざっと挙げただけで、古い物が流行ってるでしょ。
何故でしょう?

古い物が良いと思う人がいるからですね。
つまり、需要があるわけです。
反面、供給は年々減る一方でして、結果として相場が上がるわけですね。

まれに相場を遥かに越えた高値の付く物もありまして、
その高値もしばらく続けば相場として通ってしまうわけです。
原因はいろいろありまして、雑誌で取り上げられた場合や芸能人が身に着けた場合、
珍しいですがその物が本当に良いと再認識された場合などですね。

その原因が少年雑誌に連載されてるマンガ、なんてのもあるんです。

今日、僕と同じ型のゼットに乗りたいって若い子に会ってきました。
どうしても乗りたいので実車を見せて欲しい、話を聞かせて欲しい、との事でした。
もうこれで何人目でしょうかね、軽く10人は超えてます。

湾岸ミッ○ナイトの愛読者に、僕は声を大にして言いたい。
若者よ、そんな嘘ばっかりのマンガがきっかけで乗れるのか?
「この物語はフィクションです。公道では交通規則を守り安全運転に努めましょう。」
って書かれてる『フィクション』、運転方法だけがフィクションだと思い込んでないか?
300km/hで走って曲がれるのが最大のフィクションだってのに気付いているか?

そうなんです、今日会ったF君も、湾岸ミッド○イトの熱烈な愛読者なんです。
読んだ事ある方は分かると思うんですが、主人公は高校生(=初心者マーク期間?)で、
首都高を爆走するんですね。
しかも30年ほど前の型の初期型フェアレディーゼットで。
もうね、突っ込むのに忙しいほどの都合の良いマンガなんですよ。

ま、あくまでもマンガ、フィクションだとしたら大変楽しい物語だとは思います。
でもね、本当に信じちゃう若者がすごく多いんです。
これには参りました。
某オークションでも車体は大変高価が付くし、パーツですらプレミア付きまくり。
世間の相場が高騰してしまい、迷惑この上ない話ですねぇ。

今日会ったF君、タイプから言うと非常に真面目な普通の男の子です。
チューニングカーに乗って誰かと勝負したい、なんて思わない感じの子でした。
普段はテレビゲームとかネットをして、マンガを読むインドアなタイプですね。
そして、マンガを読んでしまったわけですね、あのマンガをね。

「絶対乗りたい、一生大事に乗る」って言いながら半年もしない間に故障がイヤで売ってしまった子、
子供が出来た途端に奥さんが猛反対を始めて手放した子、本当にたくさん見たんです。
ので、今日はF君を「説得」に行きました。
やめとけ、全然良い車じゃないぞ、と。

彼はどうやら実車を見るのは初めてだそうで、非常に嬉しそうにあちこち眺めて携帯で撮影しております。
手っ取り早く進めようと思い、とにかく乗ってみれば?と言いましたところ、「緊張します」。
仕方ないので僕が運転し、思いっきり踏みました。
全開なんですが、いかんせんL28のノーマルエンジン。
自慢じゃないけど止まってるのか?ってほどの遅さです。

「うおー速いいいいいいぃぃ!」と叫ぶインドアなF君。
一回りし、運転を交代して戻ってみると、
「やっぱ僕これ欲しいっす!もっと乗りにくいかと思うてました!買いたいので探してください!!」

はぁ、気に入ってくれたようです。
作戦失敗。
ま、それはそれで仲間が増えて嬉しいんですが、かなり複雑な心境です。
はてさて、F君は無事にゼットを手に入れられるでしょうか?


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