このところ全然小説書いてない…!
これは非常に由々しき事態です。 仮にも夢小説サイトを名乗っているのですから更新してこそナンボのもんですが、 すべてのものが完成度7割で止まっている感じです。
実生活が忙しくて時間がない、っていうのもあるんですが、 今まで自分がどうやって文章を書いていたのかさっぱり思い出せません。 書きたいものはたくさんあるのに最後まで書ききれない…
スランプ、なんて上等なものではありません。
便秘です。
リキんでもリキんでもちーっとも出やしねえ!!! 表現が汚いよ!
11月中に小説2本は更新するを目標に、腹部に力いれて頑張りたいと思います。 暮れには、今年もクリスマス小説書きたいんだけどなぁ…
テニスの小説はうまいこと書けてませんが、 なにも小説の更新がないのは来てくださっている人に申し訳が無いので、 とりあえずテニスではないですが、小説を以下に、置いておきます。
注1:九龍妖魔学園ネタバレショートストーリーです。 注2:何がネタバレしているのか読んでもいまひとつ判らないかと思いますがネタバレと言われれば多少ネタバレを含みます。 注3:ちなみに私はまだ1週目すらクリアしていません。(噂に聞いて勢いだけで書きました) ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ 九龍妖魔学園紀番外編:黄龍妖魔学園紀 亀と龍
その日、インターネット通販店主、“JADE”こと、 如月翡翠は、 奇妙なEメールを受け取った。
ウイルスメールの類ならば、 中を見る前に、即刻削除してやればよいだけのことなのだが、 それも出来ずに、 如月の指が止まったのには、相応の訳がある。
メールの、タイトルの欄に、『如月翡翠へ』とあったからだ。
このメールボックスは、 あくまでショップ専用として設置されているものであって、 ネット上では一貫して“JADE”の名を通す如月にとって、 それは奇妙以外の何物でもなかった。
なぜ、客が、僕の『本名』を知っていると言うんだ?
翡翠へ、
よ、久しぶりー。元気してるか? お前、ちゃっかりこんなサイト運営しちゃって、 あいかわらずアコギな商売してんのな。
非常に、無礼な文面だった。
意味のない、ただの雑談というか誹謗中傷というか、 とにかく、読んでいて気持ちのいい内容とは言いがたいものだった。 おまけに差出人の署名すらない。
だが、如月は、 このメールに、何故かとても懐かしい匂いを感じていた。
その昔(と言っても、たかだか5年前だが)、 彼にはたしかに、このメールの文面のような物言いをする、 知り合いというか、友人というか、 いや、もっと深いもので結ばれていた、それはそれは大事な仲間がいた。
「その人の存在がこの世あるからこそ、 自分の存在もまたこの世にあるのだ」
月日が流れた今でも、如月は、そう思っているし、 前に一度だけ、実際に本人を前にして伝えたこともある。
「僕は君のために存在しているんだ」と。
何もそれは精神論ではなくて、本当に、そう…なのだ。
黄龍が産まれていなければ、 玄武もまた、この世に産まれてはいない。 四神の中央に顕現する龍、黄龍――それが摂理だ。
玄武の宿星を持って生まれたことは、決して楽しいことばかりではなかった。 それはおそらく黄龍である「彼」も同じに違いない。 いや、黄龍の器がどれほどの犠牲をもってこの世に生まれ出でたのか、 そしてそれを黄龍の器が、どれほどの苦痛をもって受け止めてきたのか、 推測するだけでも途方もない。
だが、やはり思うのだ。 どんな犠牲の上に築かれた生だったとしても、君が生まれてきてくれてよかった、と。 ………これは如月のエゴだった。
考えてみれば、卒業以来、「彼」には会っていない。 もう、かれこれ5年にもなるか。 「彼」は、卒業してすぐ日本を離れてしまったし、 こちらもこちらで、忙しく各地を飛び回り、 東京のこの店に帰ってきたのは、つい最近のことなのだ。
卒業してからの如月のこの5年は、 あの学生時代と比べると、それは信じられないほど平和なものだった。 …まあ思えば、そもそもあの頃があまりにも騒がしすぎただけの話なのだが。
「フッ、たしかに騒がしい男だったな…」
当時、この如月の店は仲間たちのたまり場と化していて、その中心にはいつも「彼」がいた。 商品も買わず彼はこの店に居座り、 やれ、麻雀のメンツが足らんから相手をしろ、だの、 腹が減ったからメシを食わせろ、だの、 のどが渇いたから茶を淹れろ、だの………
「…まったく」
いつになく昔を思い出している自分に気づいて、如月は苦笑した。
懐かしさに駆られて、メールに表記された送信ポイントを見てみれば、 【新宿、天香学園】とある。 当時、「彼」が通っていた真神学園も、同じく新宿にあった。 ここから新宿は、南の方角にあたる。
重火器の類を販売する、この“JADE”ショップの閲覧は、 完全にID制になっていて、 ロゼッタ協会に登録された《宝探し屋》でなければ不可能だ。
メールには、送信ポイントのほか、 ハンターの個人ID番号が表記されていた。
協会のデータベースにアクセスして、 番号を照会すれば、 コードネーム程度ならば容易に割り出すことが出来る。 協会と直接契約を結ぶ、如月骨董品店店主、如月翡翠である。 そのくらいの権限は持っている。
如月は、何かに駆られたように、実行した。 …そして息をのんだのだ。
如月は外に飛び出した。
理由はもちろん、そのハンターに会いに行くためだ。
どうせ開けていても訪れる客などそう居らず、いつもこの店は開店休業状態なのだ。 彼が高校生だったあの頃から、それは変わっていない。 ならなぜ、骨董品店などやっているのかと問われれば、「趣味だ」「道楽だ」と答えた。
よほど慌てていたのだろうか。
慎重な彼にしては珍しく、 起動させていたパソコンの電源を落とすのを忘れていた。 (だが、店の戸締りにぬかりがないところはさすがとしか言いようがない)
モニターに表示された文字が点滅している。
コードネーム:【yellow drAgon】
間違いなく、「彼」だった。 証拠もなにもないが、「彼」以外に他ならない。
この世界で、【イエロードラゴン】を名乗れるのは、 いや、名乗ることを許されるのは、 ただ一人、「緋勇龍麻」だけだと、如月翡翠は切に思うのだ。
だからこの送信者は、「龍麻」なのだ。
もし「龍麻」以外の何者かが、 不届きにも【黄金の龍】を名乗っているのであれば、 そのときはとりあえず確実に――― 邪妖滅殺 ――― なのである。
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