友人と同じ名前がテレビに流れた、と言って青ざめていた友の顔が忘れられない。翌日、あれは同姓同名の別人だった、と安堵していたその顔も。しかし、その同姓同名さんに思いをはせると、手放しで、喜ぶことなんてできない、何かしたい思いと、何もできないもどかしさと、不安定さに、けっして晴れない心持ちも、忘れることはないだろう。