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2004年07月07日(水) |
泣かないために描く(見えないものを見る) |
『見えないものを見る──絵描きの眼 作家の眼』読了。 絵描き=伊勢英子、作家=柳田邦男。
「ものを見る」ということ。 ただ漫然と「見る」のではなく、「捉える」ということ。 しかも、「本質を捉える」ということ。 本質と言っても、その人によって異なる。 実は、「自分にとっての真実を感じ取ること」→「自分を見つめ直すこと」なのだと。
そう。『はじまりの記憶』へ繋がっているのだ。
伊勢さんは、やっぱりすごい。 極限まで、追い求めようとする人。 自分を許そうとしない人。 その精神エネルギーはどこから湧き出てくるのか。 わたしなんか、すぐに妥協してしまうのに。
「泣かないために描いている」というところ、鳥肌が立った。 しかも、それでも泣いてしまったとき、悔しい、というのだ。 自己の精神の昇華見たいのが、絵によってなされているのだろうか。 それさえも超えて、あふれ出てしまう想いってどんなものなんだろうか。 そんな体験を、わたしもできるときが来るだろうか。
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