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葬儀。 受け付けの係だったので 、開始時間にもまだ外にいた。 オルガンの前奏のころ、雨が降り出した。 大粒の雨が、テントの屋根をパタパタと叩く。 俺はここにいる、と言われているような気がした。
遅れて入った教会には、すすり泣きが充満していた。 なんだか傍観者のような自分。 牧師の説教、慰めの演奏、弔辞、親族挨拶、献花。 花を手向ければ、これでお別れだと、線を引いてしまう。 涙がとめどなくあふれてきた。
変な話だけれど、お葬式で泣いたのは初めてだと思う。 知らせから一週間。 この期間があったお陰で 、実感が湧いてきたのかも。 受け入れて、きちんとお別れできたのかもしれない、などと思った。
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