ぶらんこ
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植物を見に、お気に入りのお店屋さんに寄った。 家からは遠いのでなかなか来られないけれど、空港の近くなので回数的にはよく来ているお店。 ここはいろんな種類の植物が置いてあるので嬉しい。 値段もいろいろだし。
見るだけーーーと思ったけれど、かわいい葉っぱたちがわたしを見上げるので、思わず選んでしまった。 うちに来ても元気で育ってくれそうな子たちを何種類か。。。
綺麗なオネエサンが葉っぱの名前と値段を言いながらレジを打ってくれた。 と、ハタ・・と手を止めた彼女。「あの、このお値段、覚えてらっしゃいますか?」 ちょっと赤みを帯びた、つやつやした色の葉っぱ。どの色にしようか悩みに悩んで選んだ子だけれど。 「ごめんなさい。ただ、安いってことしか覚えてません。。。」 正直に答えると、彼女は申し訳なさそうに頭を下げ、確認してきます、と出て行った。 場所がわかるのかな・・こっちが確認すればよかったかな・・・と、恐縮してしまう。
案の定、彼女はあちこち駆け回り(とても広い植物屋さんだ)、店長さんのところへ行ったらしい。 「店長、店長、お願いしまーす!」とどこかで声がしていたから。
店長さんのおかげで、値段はめでたく即座にわかった。 彼は彼女と一緒にレジまでやってきて、わたしの選んだ葉っぱたちを見て言った。 「ほぉ〜。。。寒さに強いのばかりですね! これもこれもこれも・・・あっ、これとこれ。このふたつだけは室内に。後は外で大丈夫です。」
彼のテキパキした態度と、それから植物を見るなんとも言えない目に感激してしまった。 優しいだけでないまなざし。 あったかい、というよりももっと強い熱。情熱かな?そんなまなざしだった。
「あぁ・・・これも選んだんですねぇ。」 彼はシルバーのクリスマスツリーのような葉っぱを指差して言った。 まだ小さいけれど、『形を見ながら剪定していくと良い・とても丈夫』と、書かれていた葉っぱだ。 「はい。すぅごくかわいい子だなぁ・・って思って。。。」 わたしがそう答えると 「ええ。とても綺麗な子です。」
子、って言ったように聞えた。聞き間違いかもしれない。 「これは非常に買いやすい値段になりました。以前に比べたら半値くらいです。 案外、出ているってことでしょうか。そんなに珍しくもなくなったんでしょうね。」 彼はちょっと残念そうに見えた。きっとそれほど有名でもない頃から、この葉っぱを買い付け、売ってきたのだろう。 この人は植物の名前も、育て方も、もちろん値段なんかもすべて把握している。 そう思った途端、なんだか恥ずかしくなってきた。 わたしの選んだ子たちはみんな、すぅごく安い子ばっかり。 ・・・そして今日、たったひとつだけ冒険したのが、このシルバーの葉っぱだったのだ。。。笑
家に帰り、近くのお店へ土と鉢を買いに行った。 そして、今日連れてきた子たちをそれぞれ植えてみた。 ふむ。なかなか、良い。 と、自己満足。
土をいじりながら、あの店長さんのことを思い出していた。 人より抜きん出てるものがある、というのはなんて素晴らしいことだろうなぁと、思う。 彼の自信は、どこから生まれてどうやって身に付いたんだろう?あんなにも自然に。。。
それにしてもわたしは花よりも葉っぱが好きなんだなぁ・・と、我が家の植物たちを見て、あらためて思う。 でも、春になったら、この前作った花壇にチューリップやらなにやらが咲き乱れるのだ。(あくまで予定)
これから寒くなるばかりだけれど、なんとなくほくほくしてしまった。。。
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