ぶらんこ
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2004年11月11日(木) 時雨

昨夜からずっと雨。
わたしの住んでいる地域には大雨洪水警報まで発令され、今朝になっても雨はやみそうになかった。

こころが出かけた後(こんな雨の中でもごくごく普通に学校へ向かおうとする彼女の姿に感銘を受ける)、
雨はいよいよ激しくなり、雷まで伴いはじめた。
ときおり部屋中がカカカ、ピカーッと光る。
カーテン越しなのに、一瞬、部屋全体が膨らむかのように、とてつもなく明るく。強く。なんとも異様に。

雷と稲光の間隔が近くなり、轟音が容赦なく響き渡った。
電気が切れては点き、点いては切れた。
珍しくぷーが落ち着かず、震えている。
こんな彼を見るのは初めてなので、もしかしてこの家に落ちるのかなぁ・・・とまで思ってしまった。


雨は、8時頃に一時的に静かになったが、その後もずっと降り続けた。
「これから、雨が降るたんびに、どんどん寒くなっていくんだよ。」
こころの言葉を思い出す。学校で聞いたのか、フェリーの中で見る天気予報で聞いたのか。



一日中、雨だった。
ときどき、雨の様子を窓から眺めていた。
雨は激しく降ったかと思うと、突然やみ、鳥の囀りが響く。
そしてまた優しく降り始める。ちいさな波が打ち寄せるみたいに。
降ったり、やんだり。
大きく、ちいさく。
激しく、優しく。
遠く、近く。
心地良い雨の音は繰り返された。


誰かが泣いてるみたいだなぁ。。。と、ぼんやり思う。
涙を落としてぽろぽろと。
何かを思い出すかのようにしくしくと。
そして、泣き止んだかと思うと、また激しく、揺れるほどに泣き始める。
あらゆる悲しみは、そうやって地中へとしみていくのだろう。




どこもかしこも濡れに濡れている。
わたしはいつまでも眺めていたいと思う。

雨の日は静かにしずかに世界が満ちていく。


marcellino |mail