限定鼓動

2004年05月11日(火) DEAR

可笑しな私は

身体中、何処か開いていないと不服のようで

其れはもう 

思い込んだ一つの呪いの様でも在って


今頃から蝉の鳴き終わる季節まで

青白い手首を 普通なら

曝してお洒落を愉しむことも出来たでしょうに


私の右手首には

赤い血の通う青い血管は見つけられず

痺れを残す箇所も在り

動きが侭為らない箇所も在る


そんな姿に如何して、と思ったものでしょう

私も時折訊ねるもの

制御し切れない自分自身に


痛みに慣れる事は 強さなんかじゃなく

他を紛らわせる為の弱さ

そして自分に刃先を向け 何処かを開き続けるのは

私の弱さを紛れ込ませる為の手段

貴女がくれた優しさの方が

ずっとずっと強いよ ねぇ 


独り 言葉を吐き出すことは こんなに簡単でも

貴女のように 誰かに言葉を“掛ける”ことは

もっともっと難しいと思うよ


私の腕は酷い有り様で けれど何処か遠い現実で

貴女がくれるものの方が

酷く 痛みより鋭く響いて 傍に在るような気がする

だから ね、有難う

この先また 何度も立ち止まるだろうけれど

何とか 呼吸を已めないでいるよ

それから傷だらけで

其れでも赦されるなら

普通にお洒落をして 素肌を曝して 貴女に逢いに往くよ



私よりずっと強くて そして

同じくらいに弱い貴女へ


私も貴女が大好き。


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陽 [MAIL]