うたかた |
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2004年07月18日(日) | |
とてもロマンティックで色彩的な美しさに溢れた物語です。 タイトルから結末まで流れるはかなさを感じさせる雰囲気に うっとりとさせられます。 虚無的であったにんぎょは、みちろうとの出会いとふれあいで 自分の刹那の命を抱きとめ、そして愛するようになります。 そのゆったりと静かな過程は、読者それぞれに行間の 恋のときめきや二人の間の優しい雰囲気を感じる余裕を与えます。 そして鳥肌の立つような幸福感と悲しみを併せ持つ美しいラストシーンはあまりに詩的で映像的です。 にんぎょという特異な存在が主人公であり、 うむ、そしてうまないということについても考えさせますが 全体として仄かな青と白のイメージで作られた とにかく美しい恋の物語という風に思っています。 菅原さんは、童話を書かれても素敵なのだろうなあ、と思わせますね。 挿絵込みで絵本出版というのもいいですね・・・。(ニヤ) 脳細胞の関係で深い解釈とかは出来ないのですが とにかく大好きな作品です。 では、失礼しました。 |