* Droppingwell *
DiaryINDEX|前へ↓|次へ↑
2005年10月13日(木) |
カルタゴ、シティ・ブ・サイド、チュニス |
カルタゴ。 チュニス郊外に残る遺跡群は海を臨み、今ではこの周辺は高級住宅地になっている。
激しく破壊されているので、公共浴場といわれてもピンとこないけれど、大きな石の隙間に入りこんだりよじ登ったり、2800年前の空気を嗅ぎとろうとしてみる。
高級住宅街の中で特に美しい街並みを誇り、観光名所になっているのがシディ・ブ・サイド。白亜の壁にチュニジアン・ブルーのドアと窓が映え、そして澄み渡る空とキラキラ光る地中海。これ以上完璧な絵があるだろうか。
街路樹はオレンジの木、南国(といっても緯度は仙台と同じくらいです)の太陽が惜しげもなく降りそそぐ。 ここには世界最古のカフェ「カフェ・デ・ナット」があり、パウル・クレーやアンドレ・ジッドらの芸術家もこの地を愛したという。
チュニジアには猫がたくさんいた。犬は見かけなかった。
チュニス中心部に戻って、午後はメディナ、新市街を特にあてもなく歩き回った。メディナの土産物街では「ギリのハハに!」という掛け声が面白かった。しかし新市街など土産物屋以外を歩いていても若いおにいさんたちにひっきりなしに声をかけられる(こっちは若くないんだよ〜)。ラテンよりも無遠慮でノリが軽い。日本のイメージを悪くさせないように、でも勘違いはされない程度に、ニコっとしておく。街の雰囲気は安全で、スリなどの気配を感じることもなく、乞食の人はひとり見かけただけだった。アジアや欧州の南部を旅するよりも気は楽だったかもしれない。 夕方になると人々はフランスパンを小脇に抱えて帰路につきはじめ、日が暮れると街は再びガランとなった。昨日と同じレストランで食事をし、その後人出を取り戻した表通りのカフェで松の実入りミントティーをすすり、アフリカの夜は更けていくのだった。
|