「日本語の上手なぺ・ヨンジュンになる」という催眠術でもかかってしまう大野王子よりも、マジカルバナナを続けられない上に始められない大野王子がなんともステキ。レッツ、イタリアの大砲。
というわけで読み終えてるのにそれに関して全く触れるのを忘れていた「春、バーニーズで」。 実はこれ、シリーズと知らずに「パパが電車を降りるころ」と「夫婦の遊戯」だけ、先に読んでいたのです。「小粋〜」と背伸びをしながらも、実は「???」な箇所がいつもより多かった「パパが電車を降りるころ」。そして「こ〜ゆ〜のが短編のエスプリね」とこれまたおのぼりな感想を持っていた「夫婦の遊戯」。 いざ、まとめて読んでみて、「こーゆーことだったのかぁ!」と納得。 嘘か真か知っているのは筒井とあたし達だけってことだったのかぁ、となったわけです。 POPで「何度も読み返してみてください」とかかんとかよっしゅうがおっしゃっていたようだけど、まぁ、何度も読みますねえ、読んだもの。何度も読んで、やっと見えるとこがあるんですもの。むしろ、何度も読まないとわかんないとこがあるって言った方が早い。 「熱帯魚」にやや近い(子連れと結婚した、ってとこだけだけど)ので、「育った熱帯魚」のような作品集でございました。おいしゅうございました。
はじめからこれは書けないよなあ。「これやりゃ売れる」みたいなものを持っていないからこそ、良いのかもしれない。いいんだけど、それじゃやっぱ売れないか。ドラマ原作にもなった作家なのにぃ。人造人間並みに手術されたドラマだったけど。
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