表と裏 |
2004年08月06日(金) 会えた。 「M ?」 「うん。」 私は目深に帽子をかぶっていた。 それは恥かしいから。 そして、ちょっとでも顔を隠すため。 トレイをおき、席に座った。 「やっとあえたな」 「うん」 私はただうなずくことしかできなかった。 そして、笑ってごまかした。 彼は写真どおり、おっちゃん(笑) でもやさしい笑顔、なんだか、気持ちがほぐれた。 「お待たせしました。どうしてた?」 「まず、ここにきて、それから、前のビルの喫茶店に移動して、またここに(笑)おかげでコーヒー腹だよ」 「そうなんやね(笑)」 「帽子、とってよ」 「いやだ(笑)、はずかしいし。写真詐称っていわれそうだし」 「取りなさい(笑)」 「はい・・」 帽子を取った。 下を向いたまま、顔が上げられなかった。 「かわいいじゃん」 「え?」 「写真より、かわいいよ」 「ホンマに?」 たとえ御世辞だとしてもうれしかった。 そして、少し話をしながら、サンドウィッチを食べていたが、 もう、おなかもいっぱいになってきた。 あと一口、残すのも・・・と思いながら、ふと彼を見た。 その一口をもった手は、彼の口元に向かっていた・・・。 そして、その一口は彼の口の中に入った。 |